就活スタート号 保育・幼児教育系学生版
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その子にとっての「楽しい」を見出す仕事 私がプレーパークと初めて出合ったのは、保育を学んだ短期大学を卒業する間近のことでした。ある先生に「ちょっと気になっている場所があるの。一緒に見学においで」と言われて連れてきてもらったのが、のざわテットーひろばだったのです。初めてプレーパークを見学して、子どもたちが心底リラックスし、開放的に遊び回っている姿に強い印象を受けたことを覚えています。「自分が進むべき道はこれだ!」と確信し、視界がパッと開けた瞬間でした。 私が卒業するタイミングではプレーリーダーの採用枠がなかったため、週4日は臨時職員として保育園に勤め、週1日はボランティアとしてのざわテットーひろばで働きました。1年後には、プレーリーダーとして正式採用されることが決まりました。あこがれのプレーパークで子どもたちと触れ合う日々は想像以上に楽しいもので、「先生」という立場とはまた違い、自分の素をさらけ出して子どもたちにぶつかっていく感覚です。 プレーリーダーとしていつも心がけているのは、遊びとは「その子にとって楽しいかどうかがすべて」ということ。大人はついつい「〇〇遊び」という名前が付いていることをやらせるのが遊びだと考えてしまいがちですが、それは必ずしも正しくありません。例えば、地面に流れる水を見ているだけでも、拾った木の棒を触っているだけでも、そのことに楽しく集中できていれば、その子どもにとってはそれが遊びになります。 ハマる遊びというのは、子どもによっても日によっても時間によっても気分によっても違ってくる。だからこそ、その子どもが今どんなことを感じていて、何をやりたいと思っているのか、観察する力が必要になります。ここへ子どもを連れてきたお母さんが「せっかく広場に来たのだから、外で元気に遊びなさい!」と言うことがあり、その気持ちはよくわかります。しかし、その日は室内で座布団を並べることが楽しければ、その子にとっては遊びであり、尊重することも大切だと考えています。自分の「子ども観」を大切にできる場所を見つけて もう一つ、プレーリーダーの重要な任務といえるのが、遊び場をデザインすることです。遊具の準備や調整だけでなく、パークそのものを子どもが興味を持ちやすい形、動きやすい動線、大人が見守りやすい構造などに配慮しながら作り上げていきます。そのため、プレーリーダーには造園学科や美術学科の出身者も多いです。 のざわテットーひろばは細長い土地にあり、入り口から奥の広場までの通路がとても狭くなっています。しかし、入り口側から見たときに遊具が重ならないように配置しているため視線が広がりやすく、パッと見た瞬間に「楽しそう!」と感じられ、子どもたちがどんどん奥に吸い込まれていきます。見通しに配慮することで、こうした効果が生まれるわけです。 私が学生の皆さんにお伝えしたいのは、「子どもに関わる方法は一つではない」ということ。保育園のなかでも保育方針は多様ですし、園以外にも企業や地域などさまざまな場所に子どもと関わる仕事があるはずです。だからこそ、進路を決めるときは「自分は子どもとこう関わりたい」という思いを実現できる場かどうか必ず確認してください。学生である今こそ、あらゆる場所を訪れて子どもたちの姿を見ておくチャンスです。保育に関して自分なりの軸を打ち立て、それがブレないように就職活動に臨むことが、自分にとって幸せな未来をつかみ取ることにつながると思います。プレーパークに欠かせないのが、子どもの遊びを支援するプレーリーダーの存在です。のざわテットーひろばで活動する岩間祥子さんに、プレーリーダーとなったきっかけや、その役割についてお話を伺いました。NPO法人野沢3丁目遊び場づくりの会のざわテットーひろば岩間祥子(いわま・さちこ)プレーリーダー2012年に千葉明徳短期大学 保育創造学科を卒業後、2013年より現職。プレーリーダー岩間祥子さんインタビュー136

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