就活スタート号 保育・幼児教育系学生版
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なかには、テレビで見る私たちの大きさが本当のサイズだと思い、実物を見て「おにいさんとおねえさんが大きい!」と大泣きしてしまう子もいましたね。 どんな個性の子どもたちが集まっているときも、30分間の収録をできるだけ楽しんでもらえるよう、何気ない会話をするなどして緊張を解きほぐすことを大切にしていました。そして、その場にいる子どもたちが笑顔で歌っていることで、おうちでテレビを見ている子どもにもその楽しさが伝わると信じていました。子どもたちのケアをしながら歌うことは初めは大変でしたが、一生の中でもう味わうことのできない貴重で楽しい時間でしたね。 私は、歌うときに「歌詞を伝えること」や「心」を大切にしてきました。それは大人へ向けて歌うときも子どもへ向けて歌うときも同じで、「子ども向けに歌い方を変えよう」ということはなく、歌と向き合う本質的な部分はまったく変わりませんでした。上手じゃなくても大丈夫!まずは「歌の楽しさ」を伝えて 子どもたちと歌うときは、まずは自分がその曲の魅力を感じて、心から「こんなに楽しい曲だよ、一緒に歌おう!」と伝えようとする姿勢が大切だと思います。楽譜どおりにうまく歌うことや、きれいな声を出すことばかりにこだわると、その気持ちが子どもたちに伝わってしまいます。うたのおねえさん時代、「カメラを見て、セリフを忘れず、歌詞も間違えないで……」とたくさんのことに注意を払うあまり私が本気で楽しく歌っていないと、子どもたちの気分が乗っていないと感じることもありました。どうしても緊張してしまうことはあるし、やるべきことが多いと集中力を保つのは難しいもの。それでも、一番大切にしなきゃいけないことは子どもたちに「歌の楽しさを心から伝えること」だと気づかされました。 音楽を楽しんでいるとき、大人が想定したようなリアクションが子どもたちから返ってこないこともあります。静かな曲を聴いて涙を流している子もいれば、大騒ぎしている子もいる。でも、そのときの反応だけを見て、「心に響いていないみたい」とがっかりしなくていいのではないかな。私自身が音楽に囲まれた環境で育ってきたこともありますが、幼い頃に両親や先生に歌ってもらった、あるいは一緒に歌った曲というのは、豊かな心を育むための栄養になると思います。懐かしさや温かさといった大切なものが心のどこかに必ず残っていて、その子の成長につながっていくと私は思っています。 うたのおねえさんを卒業してからも、ファミリーコンサートなどで子どもたちへ歌を届ける機会は20

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