就活スタート号 保育・幼児教育系学生版
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新沢としひこさんの作品 「子どものための作品を創る仕事」がしたかった 僕は父親が保育園の園長、母親が保育士という家庭で育ち、子どもに関わる仕事を楽しむ両親の背中を見てきました。特に父親は、僕が絵を描いていれば「絵を描く力は保育の道で生かせるぞ!」、歌ったり演奏したりしていれば「音楽は保育園で働くとき絶対に必要だ!」といった具合に褒めてくれる人でした。子どもの頃から保育という仕事を意識しながらも、好きなことをとことん追求できる環境だったのです。 そうした父親の影響もあってか、僕は「子どものための歌や読みものを創る仕事がしたい」という思いを持ちつづけてきました。自分が小学校低学年の頃から「子ども向け」という意識で童話を書いていましたし、それは思春期になっても変わらなくて、本屋へ行っても絵本コーナーにばかり立ち寄ってしまう。「最近、この人の絵本、おもしろいよね!」なんて友達に話しても「なんで絵本?」という反応だから、「ちょっと僕はみんなとは感覚が違うみたい」という自覚はありました。保育の現場に立ちながら夢を実現した20代 大学に入ってからアルバイトとして千早子どもの家保育園(東京都)で働くようになったのですが、そこではあそび歌づくりで有名な湯浅とんぼ先生が職員をされていました。「新沢君は絵を描くのも歌を創るのも好きみたいだね」と言われて、一緒にあそび歌を創ることに。当時は作曲を担当しながら、とんぼ先生のステージにギターのアシスタントとして出演することもありました。また、あそび歌をまとめたムック本の出版をきっかけに、保育者向けの雑誌などでイラストレーションを担当するようにもなりました。 やりたいと考えていたことが次々と実現できて楽しい時期ではありましたが、一方で「自分が一番やりたいことは何だろう?」と模索するようにもなりました。どうやら、絵を描くことではない気がする。作曲も楽しいけれど、自分は言葉により興味があるらしい。そうした思いを抱えているときに声をかけてもらったのが、とんぼ先生とあそび歌づくりをしていた経験もあるシンガーソングライターの中川ひろたかさんでした。中川さんに「本当は何がしたいの?」と聞かれ、「歌詞を書きたいです」と答えたことがきっかけで、中川さんとの曲づくりでは歌詞を担当することになったのです。以来30年以上のつきあいになるとは、当時は思ってもみません『世界中のこどもたちが』『にじ』をはじめとするおなじみの15曲を、ちょっと大人なアレンジで収録したCD。別売りで楽譜集も。『そらとともだち』曲・歌/新沢としひこ(日本コロムビア)新沢さんが作詞した名曲『にじ』から広げた想像の世界を、絵本作家のあべ弘士さんが描きます。巻末にはメロディー譜も。『にじ』詩/新沢としひこ 曲/中川ひろたか絵/あべ弘士(アスク・ミュージック)子どもと楽しめる歌が20曲詰まったCD付きの本。歌に合わせてダンスや体操、パネルシアターを展開することができます。『あそびうた ぴよぴよ』監修/新沢としひこピアノ編曲/山野さと子(全音楽譜出版社)23

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