人を知る プロフェッショナルたちの肖像Portrait Of The Professionals● 設備工事岩原産業作業員より早く現地に到着 対話を密にして難局を突破岩原産業は設立以来56年、地域密着で設備工事と土木工事を専門とする会社だ。大谷さんは設備工事部で約20年、技術力を積み上げてきた中堅技術者。主に空調設備と給排水設備を担当して、栃木県の建物に水や空気の流れを生み出し、快適にしてきた。「工事の計画を立て図面を描き、図面通りに施工できるよう監督するのが設備施工管理の仕事。設計で難しいのは、配管ルート。建築や電気の業者と連携し、適切な納まりが求められます。また工期の遅れのしわ寄せで、配管の段取りを早めたりするときも大変。そこは日々の打ち合せ、コミュニケーションが大切になります」大谷さんは口下手だったというが、作業員より先に現地に到着することを心掛け、早めの対応や接点を多く持つことで信頼感を積み上げた。人と協調した末に、形になるのは大きな喜びだという。最も印象に残るのは、入社3〜4年目に関わった栃木県でのJV(共同事業)案件だ。「一日に何百人もの作業員が携わる現場だったため、朝礼や危機予知ミーティングをする際、大勢を前に声と足が震えたのを覚えています。ただ大規模案件を経験したことで自信につながりました。また、他社の施工方法や最新技術を学び、人脈を広げる機会にもなりました」また、自分の子どもに“あれはお父さんが関わった建物”と自慢できることもやりがいで、仕事に誇りを感じている姿が印象的。同社は大谷さんをはじめ、先輩社員は皆フレンドリー。OJTを通して若手に何でも教える姿勢があり、1級管工事施工管理技士などへの資格取得、現場代理人への成長を支援している。「自分も後輩に背中を見てもらえる存在になりたい」。そう謙虚に語るが、既に大谷さんを目標とする同社の後輩は多いはずだ。空調・給排水設備のCAD設計を行う大谷さん。「普段使う設備の裏側の仕組みはどうなっているのか? そんな好奇心とやる気がある人が活躍しています」と語る。大谷 直希さん設備工事部PROFILE2003年入社。工学部建築学科卒業。大学では設備専門の教授に師事し、ライフサイクルコストを研究。地元栃木県に貢献したい想いで県内で実績と信頼ある岩原産業を志望。登山が趣味で、休日は男体山や尾瀬などで自然を楽しむ。栃木の主要プロジェクトに参画技術力・対話力で建物を快適に栃木県で設備工事や土木工事を専門にする岩原産業で、設備の設計・施工管理として活躍する大谷さん。関わった“記念碑”が増え、子どもに自慢できることもやりがいに。コミュニケーション力を磨き、最新技術を習得することで真のプロへ成長した姿に迫る。Portrait Of The Professionals本社所在地:栃木県岩原産業株式会社CHECK THE NAVI詳しい情報は104人を知る プロフェッショナルたちの肖像Portrait Of The Professionals
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