企業研究&インターンシップ完全ガイド 建築・土木系学生版2024
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● 鉄道東日本旅客鉄道(JR東日本)人を知る プロフェッショナルたちの肖像Portrait Of The Professionals若くしてプロジェクトを主導土木系の学びと対話力を生かせる仕事として、インフラ関係への就職を考えた波多野さん。「鉄道会社は人との距離が近く、さまざまな業界・お客さまと接点が持てることが魅力でした。特にJR東日本は在来線や新幹線、首都圏から雪国・海外まで、活躍の場が多様にあり、課題克服に挑むことで成長できると感じました」入社後は東京土木技術センターで、都心の橋りょうやトンネル、土工設備、停車場といった土木構造物のメンテナンス業務を経験。協力会社との協議・発注から、施工管理として現場の重要局面にも立ち会った。3年目からは耐震補強対策室で、首都直下型地震などに備えた耐震補強工事の計画策定、設計など上流工程から担当するように。コロナ禍の影響でコストダウンが求められる中でも、安全が疎かになっては本末転倒。その軸だけは絶対ぶれないよう心掛けた。「この仕事では学生時代の研究姿勢、仮説と実験・検証を繰り返す経験が大いに役立ちました」最も思い出深いのは、2〜3年目にかけて土木構造物メンテナンスの新工法開発を行ったことだ。「考えた企画書を提出し、承認され、予算をもらい、協力会社と実証実験を行いました。最終的に社会への実装には至らなかったものの、若手にチャレンジの機会を与えてくれる環境を実感しました」自ら社内外を巻き込み新しいものを生み出す、主導的に動いて得た経験・スキルは決して無駄ではなかったと感じている。「今後はインフラ老朽化や技術者不足などの課題克服のため、土木工事の知見と技術力を深めながら業務改善に取り組みたい。2031年度から開始予定の新幹線の大規模改修に向けた技術開発にも参加したい」と波多野さん。その覚悟は同社のスローガン「変えてゆく、超えてゆく。」を想起させた。「計画を立て実験し、うまくいけばスケールを大きくして実施。目の前の課題と向き合い、検証と改善を繰り返す研究経験は必ず仕事に役立ちます」と熱く語る波多野さん。波多野 景治さん鉄道事業本部 設備部門企画戦略ユニットPROFILE2017年入社。工学系研究科社会基盤工学専攻修了。学生時代は海岸工学専攻で、砂浜が失われる海岸浸食の原因と対策を追究。またサッカーやテニスを行うサークルで試合や友人との交流を楽しむ。今はランニングとゴルフが趣味。主体的な実験・検証姿勢で次代の安全と豊かさを創造多様な活躍の場、「人」の強い志と柔軟な社風に惹かれJR東日本に入社した波多野さん。土木構造物のメンテナンス、耐震補強、プロジェクトも主導した。2031年度から開始予定の新幹線大規模改修への参画にも意欲的。安全なインフラへ、変化を恐れずに挑む。Portrait Of The Professionals本社所在地:東京都東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)CHECK THE NAVI詳しい情報は129

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