人を知る プロフェッショナルたちの肖像Portrait Of The Professionals八州● 建設コンサルタント橋梁やトンネルの点検で 地域住民の安全に貢献する日本の高度成長期以降に急造された公共インフラ。その老朽化が社会問題となっている。「道路法が改正されて橋梁やトンネルは5年に1度の点検が義務づけられました。対象となる橋梁は全国約70万橋、トンネルは1万本あります。ニーズはますます高まるでしょう」そう語る井上さんは、八州のアセットマネジメント室で、国や市区町村から依頼を受けた点検作業を行い、安全性を評価した調査報告書をまとめる一連の業務を担当している。もともとは測量士として活躍してきたが、現場に入る前の申請や工程管理など、測量での現場の経験が今も役立っているという。「準備はとにかく念入りに行います。特に橋梁は高所作業になることもありますので、高低差がある場合は、特殊な橋梁点検車を使う必要が出てきます。その選定も現場の踏査の際に決めておかなければなりません。また、道路規制も行い、交通誘導員も配置しますので、安全管理にも気を遣います」過去にはドローンを使って測量を行った経験もあり、それを活かすための計画もあるという。「今後はドローンを橋梁の点検で使う計画があります。現状では『近接目視』がルールになっているので、それと同等の成果を出すとなると難しいところがあるかもしれません。しかし、今はドローンで撮影した画像から、ひび割れの幅や長さを解析することもできます。これがうまくいけば、立ち入るのが難しい場所の点検にも応用できるかもしれません」安全性に問題があるところをいち早く見つけて、その橋やトンネルを利用する近隣の人たちの安全に寄与したいという井上さん。業務内容は変わっても、身につけた技術を活かそうとする積極的な姿勢は変わらない。橋梁点検の業務にも関わるようになり、高所作業車運転、道路橋点検士の資格も取得した。八州のよさは社員同士の仲がよく、何でも相談しやすい環境にあると話す。井上 孝太さんアセットマネジメント室PROFILE2008年入社。情報測量学科卒業。入社後は測量士として業務に携わりながら、無人航空従事者やJUIDA安全運航管理者、JUIDA航空機操縦技能などの資格を取得。ドローンを測量の現場で活用してきた。2020年より現職。測量で培ったドローンの技術を橋梁点検にも活用したい高い測量技術を中心に「総合技術コンサルタント」として知られる八州が、新たに橋梁やトンネルなど公共インフラ専門の部署を誕生させた。今回は、立ち上げメンバーの一人に選ばれた井上さんに仕事の概要とやりがいを伺った。Portrait Of The Professionals本社所在地:東京都株式会社八州CHECK THE NAVI詳しい情報は141
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