企業研究&インターンシップ完全ガイド 建築・土木系学生版2024
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現場見学で感じた 「雰囲気の良さ」に好感山口さんと竹中土木の出会いは、4年生4月、学内で行われた合同企業説明会だった。「当社の担当者から、近くで行われているトンネル工事の現場見学にお誘いいただきました。将来、何か大きなモノを作りたいと考えていたので、トンネル工事の現場見学はとても魅力的に感じられましたね」見学の場で山口さんが強く感じたのは、なにより「和やかな雰囲気」だったとふり返る。「活き活きと仕事を進め、快活に語る社員の姿に惹きつけられました。また、会社や仕事についても包み隠さず話してくれたので、ここなら良い雰囲気で働けるはずだと直感。以来、竹中土木に入りたいと思うようになりましたね」入社後は、前期/後期の2期にわたり、2つの現場を経験。工事の大まかな進め方について、学んでいったという。「1つ目の現場は、熊本県内の環状線敷設にともなう、トンネル建設の現場でした。工事の初期段階に加わり、掘削前の仮設作業、道路建設に携わりました。そして2つ目は、現在も継続して携わっている、大手町の地下通路建設です。取り組んでいるのは、駅から近くのインテリジェントビルへとつながる連絡通路の建設。十数メートルにわたり掘り進めてきた工事でしたが、今、ようやく完成を迎えつつあります」多岐にわたる業務を 相談、調整しながら進める山口さんが取り組む、施工管理の業務は多岐にわたる。工事の進行に応じて、臨機応変に必要な動きをしていかなければならない。「たとえば、現場でコンクリートを打つ場合。そこで、私がするのは築造する構造物の位置出し測量、鉄筋や型枠組立をする日を決める工程管理、材料手配、打設方法の検討と打設数量の算出などです。その詳細については、上司や協力会社の方々と話し合いながら決めていきます。こうして、多くの人と調整を行い、工事を無事完了させることができた時、なんともいえない達成感がありますね」今では、一通りの仕事はこなせるようになった山口さんだが、仕事を始めた当初は「右も左も分からない」状況だったという。「学生時代に学んだことは、ほんの基礎知識にすぎないということを痛感しました。使う言葉も、考え方も、仕事を通して一から身につけていく必要がありましたね。その一方、構造力学やCAD操作などは、日々の業務に直結しています。学生時代、しっかり身につけておけば、より生産性の高い仕事ができると思います」そんな、山口さんがモットーとしているのは「視野を広く」持つことである。「現場を管理する者として、事故や品質不良を絶対に起こしてはいけません。一つのことだけに集中するのではなく、つねに工事全体を見るように心がけています」現場をあずかる責任感が 手ごたえの大きさにつながる入社4年目に入った山口さんは、現在、新入社員の研修指導も担当している。これまでで最も印学生時代、さまざまなアルバイトを経験した山口さん。いろんな人と出会い、共に働きながら仕事を円滑に進めるための会話術、マナーを学んだ経験が、社会人になってからも生きているとのことだ。象に残っている経験は、入社2年目の春、1人で夜勤の現場を担当したことだと語る。「上司や先輩が、1人もいない中での管理は、初めての経験で、スムーズに工事が進められるよう事前準備、段取りを徹底しました。また、施工中に生じる問題点・疑問点についても、入念に調べたうえで、さらに、公的機関への届け出、第三者への注意喚起も徹底しました。こうして無事、夜間工事を終わらせた経験は、大きな自信につながりましたね」一歩一歩、基礎を固めてきた山口さん。将来の夢は、もちろん、会社の代表として1つの現場を任される所長になることだ。「1人の土木技術者として、良い作品を引きわたすのはもちろん、発注者や協力会社など、工事に関わる全ての人が笑顔で竣工を迎えられる現場にすることが、私にとって究極の目標です。そのためにも、来年、まずは一級土木施工管理技士の資格取得をめざします」施工管理の奥深さ、面白さを噛みしめながら、山口さんの視界に新たな未来設計が広がっている。本社所在地:東京都株式会社竹中土木CHECK THE NAVI詳しい情報は※所属・内容は取材当時のものです。83

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