魅力的なPC工法の現場で 先輩のような活躍を期す建築学部では3DCADなど意匠系を中心に学んでいたという中吉さん。就職活動においては建設会社の中核を担う施工管理を視野に、5~6社のインターンシップに参加したという。「大成ユーレックは人当たりの良い方が多く、社内も現場も風通しの良い雰囲気を感じました。PC工法︵プレキャスト鉄筋コンクリート造︶のパイオニアとして、前もって工場で精巧につくったものが現場に運ばれるため仕事の流れもスムーズで、効率化と省力化に優れた工法を実感。整然とした現場で、ここでものづくりがしてみたいと強く感じました」入社後約2週間の研修を経て、工事統括部第2工事部で施工管理職として配属され、1年に1案件のペースで現場を経験している。大きく安全・工程・品質・原価4つの管理が施工管理の仕事だ。最初は工期を順守したい気持ちが先行し、準備もできていないところで職人さんにお願いして、「こんな状況では無理。全体を見て指示して」と指摘された。また、資機材の置き場を勘違いで指示し、後で自ら汗だくで正しい位置に移動したことも。時に落ち込むこともあったが、部活動やスポーツ経験も豊富なため、自分を奮い立たせ、貪欲に先輩や職人さんから聞いて吸収する姿勢に努めた。思い出に残るのが1年目で、中高層の賃貸マンション案件を先輩の下で経験したことだという。「その案件は工事内容が複雑で、自分も含めて職人さんたちの士気が下がっていました。そこに、入社約10年の先輩が任せろと、職人さんたちを統括。テキパキと的確な指示によって課題を解決し、作業を完結させたのです。その姿にカッコいい、自分も将来はこんな存在に成長したい、と心底思いましたね」それ以来、目標が先輩の姿に定まった。どんな時も明るい態度でプラス思考を忘れない、ミスは素直に謝る、職人目線で考える、などを心掛けるように。感情の浮き沈みも極力抑えることで現場の雰囲気も良くなり、中吉さんの存在感も現場ごとに増していく。3年目にはRC工法の現場にも配属され、視野を拡大。PC工法の良さに改めて気付けるようになり、貴重な経験が積み重なった。〝バトンパス〞がうまくいき 建物外観が現れたときは感動4年目で担当したのは都心の5階建て学生寮の新築案件だ。複数現場を兼務する作業所長のもと、先輩と一緒に現場を担当。同社が得意とするPC工法ながら、これまでのマンション現場とエントランス部分や外構が異なるため、そこをいかに仕上げるかは腕の見せ所と感じている。「現場は例えば杭工事や、基礎躯体工事に始まり、ボードを張ったらクロス業者が来て、電気や空調・給排水などの設備会社も入ります。各専門工事業者が作業をリレーしていくのですが、そのバトンパスが円滑になるよう準備・手配するのが我々のミッション。職人さんから『この現場は段取りがいい』『仕事しやすい』などの言葉をいただけるときはやりがいを感じます」早い段階から、工程管理表の作成も任されており、安全管理・品質管理にも余念がない中吉さん。同社は休暇制度も充実しており、オン・オフのバランスの良さも日々のエネルギーになっている。改めて建設業は多様な協力会社や、職人さんが関わる仕事で、すべてチームプレーと実感。工事担当者の自分が起点になり、各職人さんの連携がうまくいくときは毎日が楽しいと感じる。「よく完成したときが嬉しいという声を聞きますが、私の場合は仮設シートや足場がはずれて外観が目の前に現れたとき。全貌を見上げると、毎回感動と充実感が押し寄せてきます」施工図面の修正などは大学でCADを学んだことが今に生きており、先輩からの修正要求にはすぐ応えられるという。なお同社は有給休暇なども取りやすい体制で、先輩方が率先して休暇取得を勧めてくれるため、プライベートも充実できる。今後は一級建築士の取得が目標だ。「資格取得と共に、社内の先輩・後輩、施主や協力業者の職人さんからも信頼される存在となり、『中吉がいればこの現場は安心』と言ってもらえる監督になりたい」と中吉さん。プロフェッショナルの自覚と責任が、柔和な表情の中にしっかりと刻まれていた。本社所在地:東京都大成ユーレック株式会社(大成建設グループ)CHECK THE NAVI詳しい情報は85
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