企業研究&インターンシップ完全ガイド 建築・土木系学生版2024
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地域社会の発展を担う TXに可能性を感じる子どもの頃からつくばエクスプレス(TX)沿線に住んでいた進藤さん。TXが開業したのは小学校3年生の時。祖父母の家への帰省、通学といった際に利用する日常の足となる存在だったのだそう。進藤さんの成長とともに、TX沿線に人が増え、ショッピングセンターがオープンし、地域が活性化していく。TX沿線がどんどん発展する様を肌で感じていた。「大学で建築を学んでいたこともあり、就職活動では多くの人々が利用する建物に大きな可能性を感じていました。地域社会の発展とともに歩むTXの姿を間近で見ていて、TXの建物に関わるのも面白そうだと。より利便性の高い鉄道となるために、これから重要な局面を迎えるであろうこと、地域社会にますます欠かせない存在になるだろうといった点から入社を決めました」入社後すぐの配属は、現場技術職として管理担当兼建築担当に。主に駅や駅構内の建築施設・設備の維持・改良に携わっていた。「入社した2019年から20年にかけて、万博記念公園駅や研究学園駅ホーム上の待合室新設や八潮総合事務所を新設する案件に、施工管理として携わりました。大きなプロジェクトで、長きにわたって利用されていく建物に関われたのは、印象に残っています」2021年には同じ現場技術職として機械担当となる。駅のホームドア・エレベータ・エスカレータ・大型空調機・昇降機などの機械設備の管理に携わった。「機械は専門外でしたので、少し不安もありました。しかし担当してみて分かったのですが、機械設備は建築に付随したものでもあるんです。建築を異なる視点から見ることで、新たな発見もあり勉強になりました」2022年からは本社の建築担当へ配属となり、主に駅舎や関連施設の修繕事業、設備投資事業の計画・立案・社内承認・検査を担当している。同時に担当案件の予算管理、他部署との調整といった業務も任されている。「現場仕事からデスクワークになったことや、異動からまだ日が浅いこともあり、まだまだ失敗も多いですね(笑)。でも今の仕事もこれまでと変わらず思い入れを持って取り組めています。社内で提案を行う前に現場を見て現場の人と意見をすり合わせたり、施工会社と打ち合わせをしたり、工事の状況を管理したり……。案件が立ち上がってから終わるまで、まさに上流から下流までを担当できるので、やりがいがあります」発注者として仕事をする 面白さを実感これまで同社で仕事をしてきたなかで、進藤さん自身が気づいたことがある。それは「外部業者に依頼をする、発注者側の立場で仕事をする面白さがある」という点だ。「建築系の学生はゼネコンや設計といったところが就職先として見えていると思うんですが、実は当社のような会社で、発注者の立場で建築関係の業務に携わることもできるんです。そういった仕事があるのも知ってほしいですね」進藤さんが担当している本社での業務は、他部署や業者にさまざまな依頼をする役回りが多いとのこと。依頼を丸投げにしないためにも、現場で身につけた知識や経験が大いに役立っている。現在、進藤さんは業務に対し、より高いクオリティを追求していきたいと考えている。キーワードは「データ活用」だ。データを活用した精度の高い予防保全の可能性を探っている。「大学の研究で培った経験を活かし、実験と結果データから状況を分析して、修繕計画に役立てていく仕事のプロセスを構築したいんです。私の業務では保守という言葉も使いますが、『保守=現状維持』と捉えられてしまう場合もあります。そうではなく『時代に応じた保守』、『TXに最適化された保守』といった方向へ、保守のあり方そのものを変えていきたい。『保守だけでも、TXって面白いことやってるよね!』と思ってもらえる取り組みをしてみたいと考えています」そのために今、進藤さんは職場で周囲と意見交換をしながら、着実に足固めをしている。反応も上々とのことで、実現への道筋が見えてきたところ。進藤さんのように柔軟な発想を持つ社員が、その想いを形にしていける土壌が同社にはある。本社所在地:東京都首都圏新都市鉄道株式会社(つくばエクスプレス)CHECK THE NAVI詳しい情報は87

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