● 建材・エクステリア岡三リビック人を知る プロフェッショナルたちの肖像Portrait Of The Professionals災害から暮らしを守るために大学院時代、交通工学を学んだ伊藤さんは、高分子材料を路盤に入れ補強するジオシンセティックスを専門にしていた。「岡三リビックは私の研究が活かせるメーカー兼商社である点に魅かれました。鉄鋼や樹脂など扱う土木資材も多彩で、現場の意見をもとにしながら果敢に新領域を開拓している点にも共感しました」最初の2年間は技術営業として東北エリアを担当。地元企業に対し、補強土壁の設計方法などを説明し、採用してもらえるようアプローチを行った。経験豊富な顧客を納得させるのには苦労したが、市場のリアルなニーズをつかむ貴重な時間となった。現在は補強土壁などに関する新技術の研究開発のほか、問題発生後の現地調査や、技術説明会での新工法PR、学会の参加など多岐にわたる業務に取り組んでいる。補強土壁は盛土に補強材を入れて地盤を強化する技術だ。それだけに災害対応とは切っても切り離せない存在であり、2022年に発生した福島県沖地震や東北の豪雨の直後には、道路を中心とする現場の異常の有無を確認するべく現地を飛び回った。「万が一、道路が寸断されたら地域の暮らしがマヒしてしまうので責任は重大です。5年目にしてこうした重要な役割を担えている点にはやりがいを見出しています」営業や現場経験があるからこそ、実態に即した研究開発が進められる。現在は補強土壁維持管理に関する新手法を研究テーマとし、道路での実験を開始。管理者への説明、道路規制の手配、調査業者との段取り、データ整理などに携わり、一定の成果を出すことができた。IoTやAIを駆使した施工なども登場した今、土木インフラ技術は大きく変容している。未来を支える技術を自分主導で作り出したい。大きな夢に向かって伊藤さんは走り続ける。「ゼネコンや設計事務所、コンサルといった業種だけでなく、岡三リビックのようなメーカー兼商社でも大学時代の学びを活かす仕事がありますよ」と伊藤さんは熱く語る。伊藤 友哉さんジオテクノ部技術企画グループPROFILE2018年入社。大学院理工学研究科社会交通工学専攻修了。東北支店を経て20年から東京本社に。研究開発や技術普及、各種調査などマルチに活躍。趣味は吹奏楽でクラリネットを担当。社会人楽団の一員として練習に励んでいる。研究開発から実地調査まで土木資材の多彩な可能性を追求岡三リビックは土木系資材のメーカー兼商社である。道路や橋、ダム、交通機関などの工事に関して、盛土や補修といった技術を通してそれらの安定した“土台”作りに貢献している。伊藤さんのキャリアを通して、同社の業務の醍醐味を浮き彫りにしていく。Portrait Of The Professionals本社所在地:東京都岡三リビック株式会社CHECK THE NAVI詳しい情報は99
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