お悩み相談室望理由をまとめ上げることは、なかなか難しい作業です。「『実習先だったから』『実家周辺で評判が良いから』といった理由でしかなく、正直そこまで深いものはない……」という学生さんも少なくないのではないでしょうか。しかし、こうした「本音」も、実は立派な志望理由の種になり得ます。実習中、その病院のどんな側面に触れて「ここなら働けそう」と思ったのでしょうか? 周囲からのどんな評判に魅かれたのでしょうか? たとえ消去法的であったとしても、志望先として選ぶからには何らかの理由があったはずです。 また、志望理由は必ずしも一つではないため、「そのほかにどんな魅力を感じただろう?」と探ることも大切です。ここで要となるのが、リサーチ能力。どんなに必死になって頭の中を探っても、情報そのものが不足していれば、志望理由を絞り出すことはできません。公式サイトや説明会、インターンシップ、OB/OG訪問などを通して、志望先(+比較検討する病院)の情報を十分に収集してください。病院の特徴のうち自分が特にピンとくるキーワードやポイントを深掘りし、自らの興味関心や経験に結びつけることで、オリジナリティーのある志望理由がまとまってきます。職活動とは、「どんな看護師になりたいのか?」という問いに自分なりの答えを見いだし、それがかなえられる(可能性が高い)職場にたどり着くことだといえます。「自分がめざすもの」を考えるために、なぜ看護の道を選んだのかという原点を確認し、それを具体化することで「めざす看護師像」を浮き彫りにしていきます。学校の授業や実習、あるいはプライベートでの経験からも、「この考え方は共感できる!/違和感があるな」といった部分が見えてくるはず。こうした日ごろの積み重ねから、就職活動は始まっているといえるのです。対に手術室看護師をめざす!」など、目標が明確な同期生がいると焦ってしまいがちですよね。しかし、個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことにより決定づけられ、それに対応してベストを尽くすことでより良いキャリアが形成できる――という考え方(計画された偶発性)も重要とされています。どんな配属先でも、必ず何らかの学びを得られるもの。そこから自分の可能性を発見するプロセスこそ重要であり、「遠回り」する価値も大いにあるのです。就志「志望理由は一つだけ」という固定観念にとらわれていませんか? あるいは、自分の頭の中だけから志望理由を絞り出そうとしていませんか?なかなか志望理由が思い浮かびません。志望度の高さが伝わるような文章を書くにはどうすればいいですか?Qこれから就職活動を始めますが、いったい何から手を着けたらいいのか見当もつきません。Q日ごろの授業や実習など、すべてのことが就職活動に結びついているという認識を持ちましょう。希望する領域や診療科が明確にならないのですが、どうしたらいいでしょうか?キャリアにおいては「計画された偶発性」も重要ですから、焦りすぎる必要はありません。Q絶33
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