二人、三人と増えていった。複数の患者さんを担当するようになって感じたのは、時間管理の難しさ。医師から時間を指定されている指示があっても、丁寧に接しようと思うとどうしても時間がオーバーしてしまう。毎朝の朝礼の後には、自分自身で一日の仕事の流れをイメージし、いつまでにどの指示を終えなければならないかを確認して、仕事を効率的に進めるように努めていたという。終末期の患者さんから看護師の責任とやりがいを学ぶ「私が看護師として働くことのやりがいと責任を改めて実感したのは、入職から半年ほどたったころ。初めて終末期の患者さんを担当させていただくことになったのです。付き添いのご家族から教えていただいたのは、以前はとてもお風呂が好きで温泉に入ることを楽しみにされていたというお話。もう意識はない状態でしたが、できる限り時間を作り、お体を清拭したり、足浴をするなど自分のできる限りのお世話をさせていただいたつもりです」“意識を失っているような状態でも、耳だけは最期まで聞こえている”という話を聞いたことがあったため、病床ではなるべく話しかけることを心掛けていた。「今日は天気がいいですよ」「ちょっと寒いですね」などといった、たわいもないことではあったものの、きっと患者さんの心に届いているはずだと信じていたという。その患者さんがお亡くなりになられたのは、山崎さんが非番だった時間帯のこと。翌日、病室を訪れると、ご家族からは「あなたが担当で本当によかった」「きっと喜んでいると思います」などと感謝の言葉をもらえた。悲しいことではあっても、看護師は患者さんの死を避けて通ることができない。だからこそ、最期の時までその方らしく、できる限り心地よく過ごしていただけるよう、努力と心配りを続けていかなければならない。山崎さんは一人の患者さんの死を経験したことで、多くのことを学ばせてもらったという。心掛けているのは、疲れやストレスをため込まないこと「看護師は肉体的にハードな仕事もあるうえに、夜勤も担当することになります。体調を崩すことがないよう心掛けているのはしっかりと食べて、眠ること。疲れやストレスを残さないよう、しっかりとリフレッシュするのは看護師にとってとても大切なことだと思います。先輩たちに何でも気軽に相談できる環境があることに加え、同期の仲間と休憩時間におしゃべりするのも、良い気分転換になっています」山崎さんの休日の一番の楽しみ介護士から転職して2年目を迎え、多くの患者さんを担当する機会が増えました。仕事の流れをイメージして、効率を意識して責任感をもって取り組んでいます。夜勤がありハードな仕事でもあるため、疲れやストレスを解消するために休日は自分でドライブをしながら自然に触れたり、カフェで好きな本を読みリフレッシュしています。コロナ禍が落ち着いたらまた旅行に行きたいですね。看護師のライフスタイル62
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