日本のリーディングカンパニー2024
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日本のリーディングカンパニー168“創造で、想像を超える。”中外製薬は、常に革新的な新薬を開発することで、日本の医薬品業界をリードしつづけてきた製薬会社の一つである。1925年創業。43年に株式会社に改組された。また、バイオ医薬品の研究開発に30年以上前から取り組んでおり、80年代には特定の遺伝子を創薬のターゲットとし、遺伝子工学技術の確立に努めてきた。抗体工学や発生工学、たんぱく質生産技術などを合わせた総合的な研究開発に取り組んでおり、今では、「バイオの中外」との評価を得るほどに、バイオ医薬は同社の柱の一つとなっている(2021年の抗体医薬品国内売上シェアは、22・9%と国内No.1のポジションにある(※1))。がん領域における研究開発体制の充実も同社ならではの強みである(21年のがん領域における国内売上シェアは、15・4%と国内No.1(※1))。そして、02年、中外製薬はスイスに本社を置くロシュ社との戦略的アライアンスの開始により、創薬基盤のさらなる強化を実現した。同社は、世界屈指のバイオテクノロジー企業である米国のジェネンテック社を持つ、世界トップレベルの製薬会社であるロシュ・グループの医薬品を日本国内に提供している。また、近年の注目すべき成果は、自社の6品目(9適応症)が13年から21年にかけて、米国食品医薬品局(FDA)からBreakthrough Therapy(画期的治療薬)に指定されたことである。Breakthrough Therapyの指定とは、既存治療を上回る治療薬であることが期待されていることを意味する。同社の創薬力が評価された証しといえよう。世界の医薬品業界を取り巻く環境は、各国の医療費抑制、研究開発コスト高騰など非常に厳しいものとなっている。そんな環境下、同社の強みは、02年のロシュ社とのアライアンスの開始により、ロシュ・グループで生み出された革新的な医薬品を円滑に日本に導入、また日本から世界市場へも円滑に広めることができる点である。さらに、14年には、このビジネスモデルをさらに前進させ、ロシュ社との契約を一部改変。early PoCという医薬品開発の初期段階で、早期の導出に関する意思決定を行えるようにし、15年4月には同社初のグローバル組織としてトランスレーショナルクリニカルリサーチ本部を新設。グローバルレベルでトップ水準の質・スピードを持つ開発力を構築することとなった。また、グローバルに飛躍しつづける企業をめざし、5つのテーマ「創薬」「開発」「製薬」「営業・メディカル・安全性」「人財」における目標を策定し、変革に取り組んでいる。特に「創薬」では、薬剤の貢献度と患者さんの治療満足度が低い「アンメットメディカルニーズ」領域の期待に応えていくため、ファーストインクラス(新規性・有用性が高く、これまでの治療体系を大幅に変えるような独創的医薬品)、ベストインクラス(既存薬に対して明確な優位性を持つ医薬品)となり得る革新的な新薬の独自のビジネスモデルでグローバル競争に挑む業界屈指の研究力・技術力でグローバルに飛躍しつづけるバイオ医薬品とがん治療薬を中心に新薬創出をめざす※2023年4月に稼働予定の中外ライフサイエンスパーク横浜中外製薬メーカー/薬品/株式公開

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