日本のリーディングカンパニー2024
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196軽くて強くさびにくい特性を持った金属として幅広い用途で用いられている「アルミニウム」。しかも美しい光沢を持ち、展伸性や延性、鋳造性などの 加工性に富むほか、電気の良導体といった数多くの特長を持っている。その用途は現代社会において生活資材から最先端の産業分野まで無限に広がっていると言っても過言ではない。近年は環境問題に対する意識の高まりから、リサイクルのしやすさとともに、土に返るエコロジカルな材料としても脚光を浴びるようになっている。アルミニウムの工業化が始まって約150年。今や現代社会に必要不可欠な素材であるだけでなく、新たな可能性に満ちた金属でもあるのだ。東洋アルミニウムは、会社設立以来90年にわたってアルミニウムという素材の可能性を追求し、この分野のパイオニア的存在として、社会や産業に役立つ高機能素材を生み出してきた。中でもアルミ箔やアルミペースト、アルミパウダーの分野では国内で高いシェアを確立している。時代のニーズを先取りした事業展開が光っている企業なのである。同社の主要製品の一つがアルミ箔。同社が生産・販売したクッキングホイルに代表される日用品向けアルミ箔をはじめとして、合成樹脂など異種材料との複合化を図った包装材を製造。食品から医薬品、日用品に至るまで実に幅広く用いられている。また、コンデンサや、リチウムイオン電池向けの高機能箔も手掛けており、ハイテク・IT分野での貢献も大きい。アルミ箔につづく主要製品であるアルミペーストは、1956年に同社が国産化を実現。国内シェアで高い数字を誇り、世界市場においても重要な地位を占めている。用途は自動車ボディカラー用のメタリック塗装をはじめ、印刷インキやセメントの発泡剤、スラリー火薬用鋭感剤など。このほか、発色性や機能性に優れた製品や化粧品用のアルミニウム顔料、環境保全のために水性ペーストの開発も手掛けている。もう一つの主要製品がアルミパウダー。純度99・3〜99・99%の各種純度を取りそろえている。用途としては、粉末冶金や耐火レンガ、触媒、ロケットの固体燃料用などこちらも幅広い分野で用いられている。こうした主要製品に加えて、アルミをベースにした新素材の開発も進んでいる。アルミに鉄(Fe)、シリコン(Si)、亜鉛(Zn)を添加することで従来にない高強度や高弾性、耐熱性、耐摩耗性といった特性を生み出したパウダロイは、各種機械部品での活用が有望視されている。また、ファインセラミックスの一つである高純度窒化アルミニウム粉は、電気絶縁性と熱伝導性を兼ね備えた新素材。これは次世代の半導体用基板材料としてスーパーコンピュータ用のIC基板やパワーIC基板などで活用されている。東洋アルミニウムが新素材を相次いで開発している背景には、優れた基盤時代のニーズを先取りし国内での高いシェアを確立トップクラスの研究開発体制で新素材開発を積極的に推進日本のリーディングカンパニー東洋アルミニウム「環境の時代」にマッチしたアルミニウムの可能性を追求する高付加価値企業メーカー/非鉄金属アルミニウムの持つ可能性にトップクラスの高い技術力をもって挑戦しつづけている。

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