日本のリーディングカンパニー2024
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256日本のリーディングカンパニーパッケージを製造する数々の企業の中で、85年を超える歴史を持つ古林紙工。その特徴として挙げられるのは、徹底したお客さま志向、業界をリードする数々の先進的な取り組み、グローバルな視点と事業展開、良好な財務体質などであり、包装業界で確固たる地位を築き上げてきた。紙を利用した包装の原点は、厚紙を加工し、その厚紙にラベルを貼ることから始まった。いわゆる「紙工」であり、社名もその原点を表している。この紙工で磨いた技術をベースに、徹底的なお客さま志向から生まれた新しいパッケージにはどのようなものがあるのだろうか。いくつか例を見てみよう。例えば、戦後間もない時代、キャラメルはまだバラ売りが主流だった。同社は、キャラメルメーカーに対し、サック函(キャラメル函)による包装を提案した。食品衛生面で評価されたことや、キャラメルメーカーのユニークな販売戦略と相まって爆発的に売れて一世を風靡した。この大ヒットは、同社が強固な財務体質を形成する原点になっている。また、そのサック函の材料の紙についても、製紙メーカーに新タイプの紙を漉いてもらった。このように、商品を手にする消費者のことを考え、徹底したお客さま志向を貫くことで業界をリードし、結果的に自社のビジネスを拡大してきたのである。また、ある著名なメーカーの商品パッケージにおいては、洗濯用合成洗剤が湿気を吸収するのを抑えるため、防湿カートンを開発・提案し、消費者にも喜ばれた。その他にも、家庭用食品ラップを使用する際のカット用の刃を金属から環境に優しい植物由来のプラスチックに替える提案をしたのも同社だ。これは超音波を使った機械を開発することで成功にこぎ着けたのだが、シェアアップに大いに貢献した。いずれも、異業種のメーカーを巻き込む開発のため、困難があったが、画期的なパッケージとして消費者に喜ばれるだけでなく、お客さまへの販売促進に貢献。さらには業界全体にインパクトを与えた。これらの例でわかるように、同社の発展の原動力は、お客さまの発展を願い、共に歩もうとする徹底したお客さま志向の姿勢にあるといえよう。古林紙工は、常に時代の先を読み、先進的な取り組みを行っている。まず設備投資について見てみよう。強固な財務体質を持つ同社は、業界でいち早く印刷・打抜・貼りの一貫加工を開始。時代の先を読む投資ができるのは、常に海外の最新の技術動向をチェックしているからだ。1962年には、スイスの著名な機械メーカーの日本第一号打抜機を導入(※自社調べ)。2年後、同じメーカーの印刷から打抜加工まで一貫工程でできるグラビア輪転印刷機を導入した。まさに、日本における「紙器印刷」という新分野を切り拓いたパイオニアなのである。こうした古林紙工の先進性は、同業他社に大きな影響を与えてきた。旺グローバル視点で技術や機械設備の動向をウォッチ先進技術と企画力で包装業界をリードしパッケージの進化に貢献する『お客さまの役に立つ』ことを第一に包装業界をリード「立派な会社にするため自分が手伝う。こんな気概を持つ人であれば、大いに活躍できるでしょう」代表取締役会長兼社長 古林 敬碩メーカー/印刷・印刷関連/株式公開古林紙工

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