日本のリーディングカンパニー2024
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企業情報をチェック!気になったらで421日本のリーディングカンパニー※内容は取材当時のものです。で1311店舗(20年8月期)を数え、日本レストランシステムグループも 657店舗で堅調に推移している。ブランドによっては業態変更などがあったものの、いずれも統合時より数を伸ばした。最近ではドトールコーヒーの新しい店舗デザインが「白ドトール」と呼ばれて話題を集めたように、さまざまな新機軸を打ち出すことで大衆に支持され続けている。さらに21世紀の新ブランドの第1 弾として、グループが世に送り出したのが冒頭の「星乃珈琲店」だ。ドトールコーヒーと日本レストランシステムの良さを融合し、安らぎの「飲」とおいしい「食」をともに満喫できるため、お客さまからは「茶色を基調としているので落ち着く」「レトロだが新しさも感じる」「今までにない店」などと評価される。そう評価されるノウハウがシステム化され、FC展開できたことも成功の一つの要因だろう。このように、多ブランド展開をしながらも、食材の調達から加工、物流、店舗設計や店舗デザイン、メンテナンスに至るまで一貫したトータルシステムを導入することで、外食産業を「システム産業」として確立するのが同社の戦略だ。すでにホールディングス傘下には、小売り、食品製造、流通、卸、輸入、そしてFCビジネスと、外食を軸に広がる、あらゆるフードビジネスの舞台が網羅されている。今後もさまざまな手法で積極的に 企業規模の拡大を図っていく予定だが、事業会社の中には複数の関連会社を組織している会社もあり、現在でもグループ内で事業を完結できる体制は整っている。そして、次なる21世紀ブランドとして誕生したのが16年9月、東京目黒区にオープンした「ファクトリー&ラボ神乃珈琲」である。そのコンセプトは「日本人の味覚を追求し、日本の珈琲を世界に発信することを目指す」というもの。生豆の直輸入から焙煎・製造さらに販売、イートイン機能に加えて研究・開発、コーヒー文化の啓発まで幅広い機能を網羅している。続く17年、世田谷区に1号店をオープンした「ドトール珈琲農園」は、ラグジュアリーな空間でコーヒーのみならず本格的な料理、スイーツも味わえるフルサービスのブランドとなっている。しかし、同グループの業態開発は、これだけにとどまらない。コーヒーの味、カフェの楽しみを追求するドトールのDNAと双璧をなしているのが、日本レストランシステムに受け継がれている企業文化だ。その経営理念は「食文化の創造と紹介を通じて、社会に貢献します」というもの。この理念に基づき、次々と新しいブランドを立ち上げてきたのだ。例えば、同グループでは数年前より、肉のブランド開発に力を注いできており「黒毛和牛 腰塚」「薩摩黒豚 宮忠」「タルタル ハンバーグ 牛忠」など、肉料理の店舗を続々とオープンさせてきた。これら肉料理の店舗は、コロナ禍による外食自粛下にあっても堅調な売上を示しており、同社のビジネスを下支えしている。また、外食のみならず全国の直接契約農家から送られてくる食品を取り扱う「自然食品F&F」も、前年を上回る成長を続けている。このように、他業態の不調を補完するブランドを持つことができたのも、同グループが飽くことなく、全方位に伸びる食を追求してきたからにほかならない。特定カテゴリーにとらわれることなく、幅広く、お客さまに喜んでもらえるものを探求し続ける。このゆるぎない経営姿勢が、外食業界を襲った非常事態下においても、真価を発揮したと言えよう。業態開発において、アグレッシブな姿勢を貫き通す日本レストランシステム。一方、コーヒーに軸足を置き、深掘りしていくドトールコーヒー。両社が統合し15年目をむかえた今、お互いの強みが融合し、グループとしての一体感を醸し出しつつある。多様な食を楽しみ、一杯のコーヒーに気持ちをやわらげる。そんな人々の憩いのかたちに、新たな彩りをそえるため。同グループは、今後もたゆまぬ業態開発に取り組み続けるだろう。全方位に伸びる業態開発で新たな憩いのかたちを提案「ドトール珈琲農園」店舗ドトール・日レスホールディングスグループ(株式会社ドトールコーヒー・日本レストランシステム株式会社)本社●〒150-8567東京都渋谷区猿楽町10番11号 NRSビルTEL●03-6701-3321URL●http://www.dnh.co.jp/設立●2007年10月資本金●10億円従業員●2,740名(連結・2020年2月末)売上高●1,311億9,300万円(連結・2020年2月期)事業内容●喫茶店・飲食店の経営、コーヒーの焙煎加工・販売、フランチャイズチェーンシステムによる飲食店の加盟店募集・指導、食品等の仕入れ・販売・輸出入DATA

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