企業の取り組みピックアップ専門店(複合)ドン・キホーテ(PPIHグループ)を打ち出し、目覚ましい効果を上げている。「活躍中の女性社員とざっくばらんに対話することで、ロールモデルがリアルになります。店長になるのが不安という声を聞き、売上管理の基礎からリクエスト(クレーム)対応まで、心配がなくなるよう研修を実施。この取り組みによって当初13名だった女性店長が32名へと大躍進しました。また管理職の意識改革のためにダイバーシティに関するセミナーや社内検定を実施しています。検定合格者はバッジをつけるので、一目で意識の高い上司だと分かります。このように、女性社員と管理職の両方にアプローチしています」 17年に出産し、育休後は在宅勤務や時短勤務で、取締役としての重責と子育てを両立する二宮さん。「まだ社内ではマイノリティーの属性だからこそ、女性社員が目標とする存在でありたい」と言い、後進の育成に全力投球中だ。 二宮さんの大きな転機は、20 14年にドン・キホーテのスペースクリエーション室立ち上げメンバーに抜擢された時だ。沖縄の旗艦店デザインを手掛けた際の仕事ぶりにほれ込んだ上司が、二宮さんを引き抜いた。「日々激しい議論をして譲らなかったので、てっきり嫌われたと思っていましたが、デザインのプロとして迎合せずとことん追求する姿勢を高く評価してくれていたんです。年齢を問わず実力を公正に認め、出る杭をわざわざ探して引っ張る社風なんですよ」 20年には最年少かつ初の女性役員に就任し、創業会長直々に「君のほかにいない」とダイバーシティ推進を託された。女性の採用、定着率向上、管理職登用を軸に、女性内定者向け座談会や女性社員向けWEBセミナーなど次々に策店舗から社内制度までオリジナルでデザイン二宮 仁美さん株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス 取締役兼執行役員2005年入社。前任者のいない分野で国内外の店舗デザインを手掛け、20代で管理職に。20年に同社初の女性執行役員、21年に取締役に就任。出産、育児の経験を現在の任務に生かしている。PROFILEPick Up多角的、具体的な策を次々実施し女性のキャリアアップを支援キャリアの階段をかけあがる二宮さん。本人の実力はもちろんだが「ぶれない目標を持てば必ずチャンスをつかめる」と自信を見せる。そのマインドを育んだ社風や、女性活躍推進の取り組みについて聞いた。1 会社へ恩返しをしたいという気持ちから、主語が「自分」から「後輩、会社」に変わったという二宮さん。 2 専門スキルを生かしてデザインした浅草店。12CHECK THE NAVI詳しい情報は本社所在地:東京都株式会社ドン・キホーテ(PPIHグループ)73
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