『障がい者のための就活ガイド』を出版し、障がい者雇用をテーマとした講演を精力的に行っている紺野大輝さんに、障がい者の就職活動についてお聞きしました。1976年、北海道生まれ。「脳性麻痺による脳原両上肢機能障害(2級)」者。法政大学卒業後、一般採用で都内老舗ホテルに入社、購買部で5年間勤務。その後、障がい者採用で転職、従業員1,800名の大手企業の人事部でリーダーとして勤務する。現在、現役会社員として働きながら、障がい者雇用をテーマとした講演を行い、障がい者の就労支援と障がい者雇用の啓発活動を精力的に行っている。著書に『障がい者の就活ガイド』『会社を変える障害者雇用』。Question3Question4自己分析をして仕事研究をするといった一般的な就活の進め方と基本的には同じです︒ただし︑自己分析で一つ気をつけていただきたいことがあります︒障がいのある方は︑自分ができないことを気にされる方が多いのですが︑ぜひ︑自分ができることに目を向けてほしいです︒組織で働く魅力というのは︑お互いの弱みをカバーし合って全体成果を挙げることだと思います︒職場の中で自分がどんな強みを発揮できるのかを考えてほしいのです︒ また︑もう一つ注意してほしいのは︑自分の障がいや必要な配慮について説明できるように準備することです︒障がい者の採用に慣れていない人事担当者もいるので︑どう伝えれば自分を理解してもらえるか︑そして採用したいと思ってもらえるかを考えて応募書類や面接の準備をしてください︒具体的な就活の進め方を教えてください。A障がい者雇用に関する基礎知識を身に付けておくことです︒企業には障がい者を採用する義務があり︑法定雇用率を達成しないと国に納付金を納める必要があります︒これまでは実働時間が週20時間以上ないと実雇用障がい者数や実雇用率にカウントされませんでしたが︑2024年度からは︑一部障がい者は週10時間以上20時間未満勤務でもカウントされるようになり︑短時間でも働ける可能性が広がります︒ また︑業務内容や雇用条件の違いも意識すべきです︒障がい者採用は補助的な業務が中心で︑有期雇用契約が多く︑逆に一般採用では責任ある仕事を任せてもらえるものの︑プレッシャーやストレスに対する耐性が必要です︒ 障がい者雇用について理解した上で︑自分はどういう働き方をしたいか︑どのように自己実現したいかを考えることが大切です︒就活を始める際の注意点はありますか?A紺野 大輝(こんのたいき)さん59
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