家族の不安を軽減する情報提供を可視化しました」このほかラダーレベルに合わせた教育の実施や、厚生連および長野県看護協会が実施する研修に看護師を積極的に送り出すことで、キャリア形成を促している。充実した教育体制はもちろん、プリセプターをはじめ職場全体で新人を見守ってくれる環境が整っている同院。そのおかげか、羽毛田さんをはじめどの看護師からも、「地域医療を支える」という前向きな気持ちが感じられた。看護をするうえで大切にしている思い、院内外の教育・研修、病棟の雰囲気について話を伺った。「以前所属していた集中治療室は命をつなぐことが第一の目的でしたが、病棟では退院後の生活を見据えたケアが求められます。まめにベッドサイドに足を運び、患者様の話に耳を傾けながら、支援の方向性やケアの内容を検討するアセスメントの重要性を実感している最中です」と業務に追われがちな病棟において、患者様とその家族と話をする時間や、じっくり関わることを大切にしていると羽毛田さんは教えてくれた。入職1年目の看護師の多くが不安を感じるのが採血や点滴。同院では全部署の師長を指導係に、自信が持てるまで看護師同士で何度も針を刺し合うなど入念な研修を実施している。ほかにも年度末にラダーレベルに応じた教育で安心して看護に取り組める農村で病と貧困に苦しむ人々が自らの健康を守ろうと、1950年に設立したJA長野厚生連。現在は「組合員・地域住民の命と生きがいのあるくらしを守り、健康で豊かな地域づくり」を厚生連理念に掲げ、9事業所13病院にて年間外来患者延べ約204万人、入院患者延べ約112万人をケア。信州エリアの健康なくらしをサポートしている。その中で浅間南麓こもろ医療センターは、病棟を大きく再編することで急性期はもちろん、受け入れ先が少なかった回復期の患者様の受け皿として「医療は住民のもの」を実践している。同院の6階病棟(内科・循環器内科・産婦人科・小児科病棟)の看護師として活躍する羽毛田さんは、集中治療室から一般病棟に異動してきたばかり。そんな彼女に、はナラティブ発表を行い、1年間を振り返ると同時に、同期で気付きや学びを共有している。「私は、ターミナル期に向かう患者様の気持ちのケアについて発表。症状を受け入れられず大きな不安を抱える患者様への寄り添い方を同期と考えました」2年目以降も急変対応や挿管方法、BLSなどの専門研修を実施。3年目に取り組む看護研究で、羽毛田さんは集中治療室における家族看護のあり方を探究した。「先輩にインタビューを行い、ご9事業所13病院にて地域の健康に貢献コロナ禍で実習が十分に行えなかったこともあり、患者様や家族と関わる際に悩むこともあると思いますが、部署全員で新人看護師をフォローします。悩むことは自分を広げるチャンスでもあります。同期と語り合い、先輩からアドバイスをもらうことで、すてきな看護師をめざしてください。倉島 和世さん6階病棟 師長message1 固定チームの編成とデイ・パートナーシップを導入することで、質の高い看護を実現。新人看護師は組む先輩看護師2人に付くことで、実践的にスキルを習得。 2 週に1度行われるリハビリカンファレンスでは、医師やセラピスト、社会福祉士、薬剤師などの多職種と意見を交換。看護師が関わっていない時間の患者様の様子を共有し、同じ目標に向けて協力する。21CHECK THE NAVIこの法人の詳しい情報は長野県厚生農業協同組合連合会(JA長野厚生連)107
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