ね。それが、その後の長いキャリアにおける糧となり、さらなる成長を後押ししてくれる宝になるからです。例えば私は「心の安らぎや前向きな気持ちを引出す看護」を大切にしてきましたが、それも新人時代、心身に大きな負担と不安を抱え、ときに副作用の苦しみに涙する患者さまを見て、一日のうちわずかでも笑顔になってほしい、と願うようになったのが始まりです。 浜下 礒部さんは患者さまだけでなく後輩の想いも引出してくれますよね。私はなかなか自分からは相談できないことも多いのですが、礒部さんの細やかな声かけで何度救われたか分かりません。 礒部 浜下さんは入職当初からとても冷静で、かえって「悩みや迷いを抱え込んでしまっているのでは」と気がかりでしたが、今やすっかり一人前のな退院支援を行える環境が整ってきていると感じます。循環器内科・整形外科チームでも、創傷や褥瘡の処置、術後のリハビリ支援に加え、自宅での食事指導や酸素供給機器の取り扱いを丁寧に説明することで、患者さまもご家族も安心して日常生活に戻れるよう取組んでいます。看護観を育み、成長を後押し 浜下 入職当初は分からないことばかりでしたが、当院は新人教育が充実しているので心強かったですね。特にプリセプターの存在感は絶大で、どんなに忙しくても親身に相談に応じてくださるので本当にありがたかったです。研修内容は毎年アップデートされています。診療科によって治療方針や検査内容など異なる要素も多いので、PC上で個別にレクチャーをお願いできる仕組みが整っていたのもすごく良かったで 礒部 入職当初は私もそれに戸惑いました。患者さまにもそれぞれの生活があり、好きなことも大切にしている時間もある。「体は多少不自由でも、住み慣れた自宅で過ごしたい」と願うのは、自然な感情だと思います。そんな患者さまの想いを受け止め、精一杯サポートするのも、私たち看護師の使命。そのため回復途上の患者さまに対しては、他職種連携を通じて介護保険や訪問看護など必要な医療サービスを手配し、できるだけ細やかな退院支援を行っています。 浜下 最近は退院支援のカンファレンスを毎週行い、支援体制もかなり充実してきましたよね。リハビリ担当者や訪問看護担当者、МSW(医療ソーシャルワーカー)などに加え、ケアマネージャーやヘルパーとの連携も深まり、患者さまの具体的な状況をお互いに共有しながらより最適す。 礒部 基本的な看護スキルや考え方を学ぶ新人集合研修をはじめ、定型の育成カリキュラムだけでもさまざまな成長支援が整っていますよね。ただ、成長のペースは人それぞれなので、当院では各々の看護観や個性を尊重しながら数年でじっくり育てることを大切にしています。確か浜下さんは今、新入職員のプリセプターを担当されていますよね。 浜下 はい。思うようにいかないことも多いですが、当院はプリセプターに任せきりではなく、チームや病棟スタッフ一丸で若手を育成しようという雰囲気が浸透しているので、それほど負担には感じていません。 礒部 1年目は、専門知識やスキルだけでなく、成長の過程で気づいたこと、自分なりに見出した看護観をしっかりと育むことも大切にしてほしいですナースに成長してくれました。本当に頼れる存在です。ワークライフバランスも充実 浜下 休みの希望が通りやすいのも、当院の魅力のひとつですよね。有給休暇はもちろんのこと、夏季休暇6日間の取得も可能です。 礒部 私は子育てを経験しましたが、育児中の夜勤は休日のみにしてもらうなど柔軟に対応してもらえたのはとてもありがたかったですね。今は時短勤務制度の活用も広がり、さらに家庭と仕事を両立しやすくなっています。患者さまやご家族に寄り添い質の高い看護を提供できるのも、充実したワークライフバランスを実現できているからこそだと感じています。Profile2020年に入職。脳神経外科・腎泌尿器科を経て2022年より循環器内科・整形外科チームに所属。4年目の現在は新人看護師のサポートを担うプリセプターとしても活躍中。Misaki Hamashita2012年に入職。外科・消化器内科、腎臓内科・泌尿器科を経て、現在は腎臓内科・脳神経外科・泌尿器科チームに所属。指導力と優しさを併せ持つ若手ナース憧れの存在。Nozomi IsobeCHECK THE NAVIこの法人の詳しい情報は公益財団法人周南市医療公社周南市立新南陽市民病院79
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