日本のリーディングカンパニー2025
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518焼肉やラーメン、お好み焼などの飲食店を全国展開する物語コーポレーション。コロナ禍やウクライナ情勢で混迷を極める外食産業の中でも攻めの経営を続け、右肩上がりの成長を続けている。2023年6月期のグループ店舗(国内外の直営店およびFC加盟店)売上高は1350億円、グループ店舗数は665店舗となった。特に「焼肉きんぐ」などの焼肉事業は好調で、店舗数は305店舗。「焼肉きんぐ」は2023年6月期に20店舗の新規出店を果たした。テレビCM戦略が功を奏し認知度が急速に向上したことも勝因の一つだが、スタッフによる〝おせっかい〟な接客サービスや、配膳ロボット、特急レーンといったDX(デジタルトランスフォーメーション)導入など、「人のチカラ」を最大化するための取り組みを一つひとつ積み上げることで、「選ばれる店」となったことが大きい。近年では「焼肉きんぐ」の都市型ビルイン店舗をオープンさせたほか、ファストカジュアル業態の「焼きたてのかるび」や同社初のカフェ業態である「果実屋珈琲」を出店するなど、さらなる成長に向けた布石も果敢に打っている。第2の柱であるラーメン事業も店舗数が200に達し、その規模を大きくしており見逃せない。従業員から沢山の発信や提案があることを特徴とする同社だが、これを実現しているのは、同社の理念と文化だ。経営理念は「Smile & Sexy」。社員一人ひとりが思ったことを率直に発言し表現すること(Sexy)、そしてそれを受け入れてもらうために人間力を磨くこと(Smile)を明文化している。つまり、理解者や協力者を増やすために自己研鑽を積む必要はあるものの、自分の考えを率直・正直に表現することを是としている会社ということだ。会社から言わされるのではなく、社員が自発的に、しかも自分の自己実現のために発する声には力がある。社員から新しい意見がどんどん集まる風土が、会社の成長には欠かせないのだ。意見が飛び交い、議論する文化が醸成されると経営や開発が正しい方向に進みやすくなる。イエスマンばかりではなく、多様で多角的な意見に基づいた意思決定こそ健全だ。議論をまとめ、イノベーションを起こしていくためには、リーダーに意思決定する力とそれを承認してもらうべく社内外に説明する力が必要だ。強いリーダーが生まれれば会社も強くなる。この議論文化をさらに根付かせていくために、同社は多様性をさらに推し進めていく。「人は違って当たり前」という「多様性の受容」の文化がまず必要だからだ。多様性に溢れた状況をつくり、その中で臆せず自分を出し、多様性の表現に基づいて議論が深まっていく先にイノベーションは生まれる。2022年1月には「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)宣言」を標榜。「個」が覚醒し、多様な人財の活躍が進むように、研修や人事制度にも反映させている。コロナ禍でも増収・出店増「選ばれる店」づくり恐れず率直に自己を表現する社員が会社の成長の源泉議論文化が最大の強み「ダイバーシティ&インクルージョン」でさらに進化同社のブランドとして広く認知された、食べ放題の郊外型焼肉店業態「焼肉きんぐ」。素敵な「自分物語」を歩む人が集まればそこには素敵な「会社物語」が生まれる物語コーポレーション(焼肉きんぐ/寿司・しゃぶしゃぶゆず庵/丸源ラーメン/お好み焼本舗/源氏総本店)日本のリーディングカンパニーサービス・インフラ/外食・レストラン/株式公開焼肉やラーメン、お好み焼などの飲食店を全国展開する物語コーポレーション。コロナ禍やウクライナ情勢で混迷を極める外食産業の中でも攻めの経営を続け、右肩上がりの成長を続けている。2023年6月期のグループ店舗(国内外の直営店およびFC加盟店)売上高は1350億円、グループ店舗数は665店舗となった。特に「焼肉きんぐ」などの焼肉事業は好調で、店舗数は305店舗。「焼肉きんぐ」は2023年6月期に20店舗の新規出店を果たした。テレビCM戦略が功を奏し認知度が急速に向上したことも勝因の一つだが、スタッフによる〝おせっかい〟な接客サービスや、配膳ロボット、特急レーンといったDX(デジタルトランスフォーメーション)導入など、「人のチカラ」を最大化するための取り組みを一つひとつ積み上げることで、「選ばれる店」となったことが大きい。近年では「焼肉きんぐ」の都市型ビルイン店舗をオープンさせたほか、ファストカジュアル業態の「焼きたてのかるび」や同社初のカフェ業態である「果実屋珈琲」を出店するなど、さらなる成長に向けた布石も果敢に打っている。第2の柱であるラーメン事業も店舗数が200に達し、その規模を大きくしており見逃せない。従業員から沢山の発信や提案があることを特徴とする同社だが、これを実現しているのは、同社の理念と文化だ。経営理念は「Smile & Sexy」。社員一人ひとりが思ったことを率直に発言し表現すること(Sexy)、そしてそれを受け入れてもらうために人間力を磨くこと(Smile)を明文化している。つまり、理解者や協力者を増やすために自己研鑽を積む必要はあるものの、自分の考えを率直・正直に表現することを是としている会社ということだ。会社から言わされるのではなく、社員が自発的に、しかも自分の自己実現のために発する声には力がある。社員から新しい意見がどんどん集まる風土が、会社の成長には欠かせないのだ。意見が飛び交い、議論する文化が醸成されると経営や開発が正しい方向に進みやすくなる。イエスマンばかりではなく、多様で多角的な意見に基づいた意思決定こそ健全だ。議論をまとめ、イノベーションを起こしていくためには、リーダーに意思決定する力とそれを承認してもらうべく社内外に説明する力が必要だ。強いリーダーが生まれれば会社も強くなる。この議論文化をさらに根付かせていくために、同社は多様性をさらに推し進めていく。「人は違って当たり前」という「多様性の受容」の文化がまず必要だからだ。多様性に溢れた状況をつくり、その中で臆せず自分を出し、多様性の表現に基づいて議論が深まっていく先にイノベーションは生まれる。2022年1月には「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)宣言」を標榜。「個」が覚醒し、多様な人財の活躍が進むように、研修や人事制度にも反映させている。コロナ禍でも増収・出店増「選ばれる店」づくり恐れず率直に自己を表現する社員が会社の成長の源泉議論文化が最大の強み「ダイバーシティ&インクルージョン」でさらに進化同社のブランドとして広く認知された、食べ放題の郊外型焼肉店業態「焼肉きんぐ」。

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