企業研究&就活準備ガイド 建築・土木系学生版2026
26/144

築・土木関係の工事をトータルに請け負う「総合建設業」、すなわちゼネコンは、多くの建築・土木系の学生にとって、人気の業界の一つです。日本各地で発生した震災からの復興や、大規模なイベントなどが開催可能な施設の建設、都市の再開発、さらにアジアをはじめとする新興諸国での港湾・橋梁・鉄道などのインフラ整備需要が急拡大しています。こうした新しいビッグプロジェクトを遂行するリーダー的存在が、ゼネコンです。業界は活性化しており、技術者においても国際的に活躍する人材が多く必要とされ、新しいビジネスモデルの構築にも積極的です。ZEB(Net Zero Energy Building)のように、建物そのものの一次エネルギー消費量自体をゼロにするための動きも加速しており、環境に関する幅広い視野が一層必要になっているのもゼネコン業界の特徴といえるでしょう。海外進出や新しいビジネスモデルの構築など活躍フィールドが広がっているゼネコンGENERAL CONTRACTORJOB RESEARCH建築における品質・工程・安全環境・原価管理などの工程全般をマネジメントし、施主との折衝なども行います。現役技術者の高齢化もあって多数の求人がありますが、国家資格である建築施工管理技士1級・2級、または1級建築士の資格保有が求められます。建築施工管理道路、橋梁、河川などの土木工事作業所において、主任技術者や監理技術者として施工計画をつくり、工程、工事原価や品質、安全環境などの管理業務全般を行います。土木施工管理技士1級・2級などの国家資格が必須です。土木施工管理照明、衛生、空調、情報設備など、建築物の機能をデザインします。設備の安全性や性能はもちろん、近年、コスト低減の観点から省エネルギー化も、設備設計に求められる重要なテーマとなっています。キャリアアップには、1級建築士、建築設備士などの資格取得が重要です。設備設計建築・土木に関する研究を行う部署です。コストや環境負荷を低減させる技術の開発のほか、東日本大震災を機に、構造物の免震化のための材料や工法の開発に対する需要が高まっています。環境工学、都市工学、環境学などの知識を活用することができる仕事です。研究・開発工場、物流施設やプラントなどの設計や施工、保守メンテナンス全般を行います。土木系エンジニアの場合、基礎工事、道路や駐車場の施工、施工者の管理などが業務となります。近年、新興国でのプラント建設事業の活性化にともない、海外勤務も多い職種の一つです。エンジニアリング建01出典:一般社団法人海外建設協会「海外建設受注実績レポート」より出典:経済産業省「業務用ビルにおける省エネルギーの推進について(ZEBとSBC)」よりZEBとは、Net Zero Energy Buildingの略称で、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のこと。国際エネルギー機関(IEA)がG8各国に導入目標の設定および市場の拡大措置を求め、日本でも2050年のカーボンニュートラル実現の姿を見据え、2030年までのZEB化の実現が目指されています。日本企業による海外での建設工事の受注は、コロナ禍の影響で2020年度に最盛期の半分近くまで落ち込みましたが、2021年度以降は順調に回復。2023年度は全体で2兆2,907億円と前年比で2,422億円のプラスとなっています。地域別では、アジア地域の受注が1兆235億円とトップで、北米(7,878億円)、オーストラリアやニュージーランドを含む大洋州(2,094億円)、東欧(1,555億円)、アフリカ(501億円)が続いています。ZEBがつくる未来海外建設受注実績の推移中南米北米アフリカ大洋州東欧欧州中東・北アフリカアジア単位:億円(年度)9425,00020,00015,00010,0005,000000100515232026

元のページ  ../index.html#26

このブックを見る