左/跨線橋(線路に架かる道路橋) 撤去工事 右/トンネル補強工事 多くの技術者がチームプレーで作 業を行う。作業前の確認で、ダイナミックな作業もスムーズに。北海道内での軌道工事の元請である北海道軌道施設工業は、線路の新設、補修、検査だけでなく鉄道構造物の保全・改修工事も手掛けている。列車が走行する線路はレールとまくら木、バラスト(砂利)から成り立っている。重い列車の車両を高速で走行させるため、線路はクッションとなり、ダメージを吸収する。つまり線路は列車の走行により、いずれは壊れることを前提につくられている。ダメージを負った線路は大型機械による線路補修工事や古くなった材料の交換工事を行うことで乗り心地の良い線路となる。このクオリティをキープしていく。また、線路構造物であるトンネルや橋梁、線路を横断している道路橋などの保全や改良工事も手掛け、鉄道の安全を守ることが同社の使命だと考えている。そうした中、これまでの実績に加え、新たにチャレンジすべき課題も浮上してきている。その1つが北海道新幹線の札幌延伸だ。「新函館北斗~札幌間は約212㎞あり、その線路敷設において、軌道工事の元請として 3つの課題に挑む元請としての責任をしっかり果たし、さらに開業後も日々の安全運行に努めるため、工事とメンテナンスの実施体制の構築を図っています」と奥芝社長。「2番目には機械化による安全性の向上と業務の軽減です。高齢化と会社の業績向上を背景に、機械にできることは機械に任せて人の負担を軽減させ、さらに次の段階ではAIなどのDXにも取り組んでいきます。そして最後が働き方改革の実践です。私たちの仕事は列車が走行しない時間帯に行うケースが大半で、当然夜間作業となります。その中で残業を減らしたり、休日の確保などの取り組みが欠かせません。最近では産後のパパ育休や子の看護休暇の取得も増えており、現場の所長も対象者のシフトを変えるなど、サポートをしようと努めています」同社において、土木系を学んだ人材の活躍フィールドは、建設業としての技術者であり、具体的には施工計画、施工管理、保守・メンテナンスなどさまざまな役割がある。どこに比重を置くかは、その人の適性次第だ。「材料を交換したり、直すこと社会インフラを支える醍醐味とスキルアップで、きれいな線路になります。しかも、その日のうちに仕上げなくてはいけない部分があり、毎日の成果が見られ、達成感を得られる点が魅力です」とやりがいについても語る。「加えて交通インフラを支えているという誇りも持てます。鉄道は通勤、通学、観光などに欠かせない大切な足です。線路の損傷により、乗り心地が悪くなったり、運行を遅らせることがないようにすること。あるいは自然災害に遭った時に、1日も早く線路を復旧させることなども、私たちの大切な務めです」夜間勤務中心の仕事ではあるが、その分、待遇面にも自信を持つ。先輩社員から職場の雰囲気や充実した福利厚生、給与について話を聴き、入社を決めた社員も多数いるという。また、鉄道工事に必要な工事管理者、作業責任者など鉄道事業者等が認定する資格を取得し、総責任者として活躍するとともに、国家資格である1級土木施工管理技士や測量士補といった資格を取得し、所長等のポストをめざす先輩社員もいる。会社としても長く働いてほしいと考えており、鉄道分野の醍醐味が十分に実感できる環境が整えられている。「幅広い世代の人々、そして多様な価値観を持つ人材が集う中、人間関係はいたって良好です。そのためチームプレーで行う作業時の団結力も抜群。会社としても社員ファーストを掲げ、誰もがのびのびと活動し、がんばりに見合った給与や賞与、手当等を手にすることで、会社の成長につなげていこうと努めています」と奥芝社長。自由と協調こそが会社のカルチャーPOINT IN CHECK本社所在地:北海道北海道軌道施設工業株式会社(JR北海道グループ)CHECK THE NAVI詳しい情報は45
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