企業研究&就活準備ガイド 建築・土木系学生版2026
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人を知る プロフェッショナルたちの肖像Portrait Of The Professionals● 財団・社団・その他団体橋梁調査会「橋梁の点検・診断業務に興味を持った私は、工業高等専門学校を卒業後、建設コンサルタント会社に就職し、橋梁点検業務に従事しました。その後転職し、現在は橋梁調査会で橋梁診断業務に従事しています」と住友さんは語ってくれた。橋梁は長年の使用で劣化し、壁面にひびが入ると内部の鉄筋がさ高度な知識を駆使して橋梁を診断する仕事の魅力と達成感びて膨張し、コンクリートが剝がれたりすることがあるので、安全に利用するために5年ごとの点検が法律で定められている。主な仕事は橋の健全性を判定し、安全に利用できるかを確認することだ。劣化の原因を探り、劣化具合を評価するため、技術士やコンクリート診断士、道路橋点検士など様々な資格の取得が必要となる。診断のポイントは橋の構造や劣化箇所によって異なるため、豊富な知識と経験が必要だ。「現地で実構造物の劣化箇所を確認する際、“なぜこうなったのか”を常に考えるようにしています。日々勉強です」と住友さん。橋の健全性を判定するためには、大型車両が多く通行する橋や海岸沿いの塩害を受けやすい橋など、様々な要因を考慮する必要がある。また、古い基準で設計された橋や特殊な材料でつくられた橋など、対処が難しい橋もあるため、適切な判断が求められる。橋梁調査会は、国土交通省から受託し、橋の診断結果を基に健全性の判定を行っているほか、ドローン活用等の新技術の導入に取り組み、セミナー・シンポジウムを開催するなど名実共に日本の橋梁の点検・診断業務をリードしているといえる。「橋の保全を通じて社会に貢献し、橋梁診断のプロフェッショナル集団の一員として、橋の安全を守る大切な仕事に情熱を注いでいます」と住友さんは語った。橋梁の維持管理を通じてその土地で暮らす人たちの生活を支えていきたい。橋梁診断は高い技術力が要求される仕事であり、自身が成長するチャンスだと住友さんは語る。住友 優太さん一般財団法人橋梁調査会四国支部PROFILE2022年入社。工業高等専門学校で機械工学を学び、さらに専攻科で2年間、機械電気システム工学を専攻。学士を取得して建設コンサルタントに就職。その後転職し現職。保有資格:技術士(建設-鋼コン)、道路橋点検士全国の橋の健全性を診断し地域インフラの維持に貢献橋梁の点検・診断はもとより、ドローン活用や橋梁診断AIシステムの開発といった技術革新に積極的に取り組んでいる橋梁調査会。住友さんは「橋梁の診断は奥の深い世界。できることを着実に増やして、適切な診断ができる技術者になりたい」と夢を語る。Portrait Of The Professionals本社所在地:東京都一般財団法人橋梁調査会CHECK THE NAVI詳しい情報は83

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