機械系活躍している先輩たちのフィールド数学・情報系電気・電子系高専現代の日本を取り巻く人口減少による労働力不足、公共設備の老朽化といった問題は、例外なく水インフラ業界にも押し寄せている。水は生きるために欠かせない存在である以上、どんな状況下でも絶対に止めることはできない。しかし、上下水道などの施設は地方自治体が運用しており、限られた予算の中でこうした問題への対応を迫られている。そこで近年、水インフラ業界ではDXによる効率化を推進していく流れが生まれており、水in ɡ でも様々な取り組みを進めている。水量や水位、電力量、残留塩素といった多様なデータを取得遠隔監視システムを開発し、ポンプやバルブのオンオフをリモートで行うなど、IoTをフル活用したデジタルソリューションを通して、現場の課題を解決してきた。遠藤さんは入社以来、水処理施設用遠隔監視システムの開発と導入に携わっている。「現場に設置したセンサーから吸い上げたデータをクラウドに上げ、Web上で監視するシステムを開発しています。ベンダーとやり取りしながら形にし、導入時は現場を訪れて機器のセットアップも行うなど、すべての工程に一貫してかかわっています」遠藤さんは学生時代、プログラミングを専門にしていたわけではなく、分からないことも多かったが、積極的に周囲の先輩に質問し、業務にあたることで成長することができたという。2年目のとき、社内初となる案件を担当したことが遠藤さんにとっての転機となった。従来は自社で維持管理している施設に導入していた遠隔監視システムを、初めて外部の水道施設に提供することになり、その現場監視用画面の作成、現場間の信号送受信システムを担当した。「途中、予期せぬ通信トラブルが発生。なんとか解決できましたが、自分たちのシステムに不具合が発生すると、その地域の水の提供に支障が出てしまうことを肌で実感し、改めてこの責任の重さを自覚仕事の責任の重さを自覚しました」以来、今まで以上に“主体性をもって仕事をする”ことを意識するようになった。どんな事態があっても粘り強く、みずから課題に取り組み、解決に向けて真っすぐに走っていく。そうした姿勢を貫いてきた姿が認められ、最近は単独でお客様の元へ出かけるケースも増えてきた。「通信機材などを設置する際は現地を訪れることもありますが、ときには雪をかき分けて山に登り工事をすることも。苦労も多い仕事ですが、開発から導入までのすべてに携わっているからこそ味わえる醍醐味を感じています」昨今のDXの流れを受け、水インフラ業界では、より機能的で効率性の高い技術が利用できるようになった。ただ、新しい技術だけに社内でも熟知している人材は少ない。遠藤さんたち若手には、次世代の水インフラを担うためにDXを活用する水の専門家としての飛躍が期待されている。「当部の仕事は、DXを通して社会の課題解決に貢献できるやりがいの大きなもの。今後は、“社内でネットワークと言えば遠藤”と呼ばれる存在をめざして自己研鑽を重ねたいですね。そのために資格取得なども視野に入れながら、成長したいと思っています」誰かの暮らしを支えたい。そんな真っすぐな気持ちを胸にして遠藤さんは自分を高め続けている。1 様々な専攻の学生が入社するため、新入社員研修では座学、実験、現場見学を通して基礎を学ぶ。 2 情報の専門家として水インフラ業界のDXに貢献する遠藤さん。質問がしやすい職場環境だから、思いきり挑戦できているという。12本社所在地:東京都水inɡ株式会社(スイング)CHECK THE NAVI詳しい情報は107
元のページ ../index.html#109