企業研究&就活準備ガイド 機械・電気電子・情報系 2026
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機械系活躍している先輩たちのフィールド数学・情報系電気・電子系高専建設・土木・鉱山・環境関連の機器メーカーとして、地盤改良機器やボーリングマシン、水処理装置等の自社製品を提供するワイビーエムは、創業78年の歴史を持ち、佐賀を拠点にグローバルに活躍するものづくり企業だ。なかでも、ウルトラファインバブルを用いた水処理装置は、キャビテーション現象を逆転の発想で水処理に応用した独自に開発した技術。ジェットボックスと呼ばれる箱に水とガスを入れ、激しく撹拌することで発生するファインバブルと呼ばれる気泡が、工業や農業等、様々なシーンで役に立っている。独自に開発した技術で顧客満足度を追求ファインバブルとは、体積相当の直径が100㎛(=0・1㎜)未満の非常に小さな泡だ。直径100㎛未満で1㎛以上の泡を「マイクロバブル」、それより小さい直径1㎛未満の泡を「ウルトラファインバブル」と呼び区別している。ファインバブル技術は日本が世界に先行して見出した革新的技術だ。「水に酸素ガスを供給し、酸素ファインバブルをつくることで植物の生育を促進したり、水産の生産量を増やしたり。そのほか、工場でも排水処理設備の能力増強や部品洗浄力の向上につなげられるため、幅広い業界から注目を集めています」と話すのは、装置の設計を手掛ける田中さん。従来なら湖沼のアオコ対策や食品工場の排水処理が主な使用目的だったが、近年は工場系の洗浄分野でニーズが増加している。顧客の要望に応じて設計し部品の選定や配置を検討、装置でつくられた水中の泡の量を計測し、顧客に提出する資料を作成することが田中さんの仕事だ。「基本の形はありますが、お客様の要望に合わせて配置を変える等、カスタマイズすることも多いですね。同じ仕様の装置はほぼ無く、設置条件も異なるため、装置のスペックを出す難しさに直面することもありますが、自身で書いた図面をもとに装置が組み立てられ、最後に完成した時には達成感が得られます」嬉しかったのは、大学で使用される実験装置を担当した時のこと。使用条件を満たす部品の選定や限られたスペースに装置を収めることに苦労しながらも無事に納品できたことで、「特殊な仕様でどの会社からも断られた装置をつくっていただきありがとうございました」と感謝されたことが大きな励みになったという。最近はシンポジウムに登壇し、会社や装置の紹介をする等、新しいことにも挑戦している。一方、誰もが活躍できる環境づくりのために発足した社内プロジェクトのメンバーになる等、会社づくりにも参加するようになった。「入社ファインバブルの可能性を幅広い分野に届けたいして間もない頃、先輩に『自分から提案していろいろできる会社だから一緒に頑張ろう』と言われたことが印象に残っています。長く働くなかで、実際に提案を受け入れてもらえる等、環境に恵まれていると感じます」一般社団法人ファインバブル産業会の依頼でセミナー等に登壇する機会が増えた今、多くの人にファインバブルの可能性を伝えることで、より幅広い分野での活用を周知したいと目標を掲げる。「任されることも多く責任を感じますが、それ以上に仕事を楽しめています!」と話してくれた。1 装置のカタチを図面に書き起こしたり、顧客に提出する書類を作成したり。設計ではメンテナンスしやすい装置づくりを心掛けている。 2 上司や先輩が積極的に和やかな雰囲気にしてくれる職場は和気あいあい。経営陣を含めて人と人の距離が近く、ラフに話せる社風が魅力だ。12本社所在地:佐賀県株式会社ワイビーエムCHECK THE NAVI詳しい情報は109

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