企業研究&就活準備ガイド 機械・電気電子・情報系 2026
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仕事を知る羽ばたく未来へ─仕事のメソッド半導体の製造技術の進化を支え未来の可能性を切り開き続けるニコンと言えばカメラなどの光学機器をイメージする学生が多いだろう。しかし、その事業フィールドは実に広範で、中でも利根川さんが携わる半導体露光装置の製造では確固たる実績を持つ。利根川さんの仕事を通して、ニコンの半導体事業に迫ってみる。METHOD利根川さんは大学院時代、新しい物理的特性を有する半導体素子を研究していた。就職先としては研究に直結するデバイスメーカーを志望。当初はニコンのような装置メーカーを見ていなかった。「企業研究を進める中で、カメラの会社と思っていたニコンが、半導体露光装置分野で存在感を発揮している点に興味を抱きました。将来的にカメラやヘルスケア分野に挑戦するチャンスも掴めるので、技術者として可能性が大きく広がると思い入社を決めました」半導体露光装置とは、半導体の土台となるシリコンウェハに、回路パターンを転写する装置のこと。1枚のウェハからは大量の半導体が生産されるが、転写前のウェハの座標決めが重要な意味を持つという。極小化が進む現在の半導体にはナノメートル単位の精度が求められ、人間の目で感知できないレベルのズレであっても、半導体として使い物にならなくなってしまうのだ。従来は半導体露光装置内で計測して座標を決定していたが、全体的な生産性が悪くなり、製造できる半導体の数が減少してしまう課題を抱えていた。「そこで、座標を決める計測器だけをスタンドアローン化し、効率を高める装置を開発しました。この方式なら他の装置の計測作業にニコンに可能性を感じて利根川 啓希さん精機事業本部 半導体装置事業部 開発統括部第五開発部 第一開発課2020年入社。大学院電気電子系修了。製品開発・設計担当の一人として半導体露光装置の関連技術の確立に挑む。趣味は音楽のライブに参加すること。月に5本出かけることもある。PROFILE精密機器ニコン56

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