15秒が目安) 腹式呼吸は、のどに力を入れず、全身から息を出し切る呼吸法です。アナウンサーや歌手などが駆使する呼吸法として知られていますが、実は寝ているときには誰もが使っているのです。まずは(図1)を参考に、腹式呼吸を意識することから始めてみましょう。お腹から息を吐き切る感覚がつかめたら、左の方法で発声練習に挑戦してみてください。①首や肩の力を抜く(座っても立ってもOK)②口を最大限に開けながら「あ」「い」「う」「え」「お」と声に出す 聞き取りやすい発声を実現するため、スムーズに口を動かす筋力をアップさせます。鏡の前で自分の口の開き方をチェックしながら、(図2)を参考に行ってください。口の周りの筋肉が痛くなるくらいが目安です。①本などであごを支える②舌だけを動かして、「ラ行」「タ行」「ナ行」を発音する 柔らかい舌の動きによるクリアな発音をめざします。(図3)のような姿勢で、一音ずつはっきりと発音するように練習してください。 家族や友人との日常会話では、誰もがリラックスして自然に話しているでしょう。しかし、就職活動における面接のようにパブリックな場面では、「本番モード」へとスイッチを切り替える必要があります。緊張しがちな面接へ臨む前に知っておきたいのが、堂々と自信を持って話しているように見せる「魔法のルール」です。 第1のルールは「『ソ』のトーンを意識する」こと。音階(ドレミファソ)の「ソ」に当たる高めの音は、人がうれしさや楽しさを感じたときに発する音なのです。「ソ」の音で話し始めれば、「うれしいことがあった!」と脳が錯覚し、自然と明るい気分になれると考えられています。安定して「ソ」の音を出すコツは、お腹に力を入れること。自然に「ドレミファソ~♪」と口に出したときの音程でOKなので、地声の高低にかかわらず、無理せず出せる範囲の「ソ」をめざしましょう。 第2のルールは「笑顔の口でハキハキと話す」こと。口がほとんど開かず、モゴモゴとこもったような声になっている人は少なくありません。相手がスムーズに聞き取れるよう、口を大きめに開けて一音一音を丁寧に発音することが大切です。口を十分な大きさまで開けていれば、クリアな音で母音が発音できるようになり、見た目の印象も声の印象も明るくなります。 第3のルールは「普段の3倍のテンションを意識する」こと。人前で話すときには、発声や表情だけでなく、精神面を整えることも重要だからです。独り言を言うときが「テンション1倍」、日常会話のときが「テンション2倍」だとした場合、パブリックな場面や大人数に向かって話すときは「テンション3倍」で臨むことが理想的。テンションを上げるといっても、大声で陽気に話すという意味ではなく、あくまでも自分の気分を高めておくという意味です。うれしかった記憶を思い出すなどして、自分のテンションが高い状態を再現できるようにしておきましょう。 「魔法のルール」を本番で実践するためには、1日5分で構わないので、発声や発音の基礎トレーニングを積み重ねておくことをお勧めします。ちょっとしたすき間時間でできる腹式呼吸、口の体操、舌の体操を覚えておきましょう。①まっすぐ立って、息をすべて吐き出す②「もう入らない!」と思うまで鼻から息を吸う③お腹がへこみ切るまで「あ~」と声を出す(男性なら20秒、女性なら1週間のトレーニングで変わる!就活成功のカギを握る「話し方」講座就職活動において「話し方」は、自分の魅力や能力を伝えるための大切な技術。話し方を意識的に磨いて鍛えることが、内定への近道かもしれません。このページでは、これまで多くの学生を内定へ導いてきた「話し方教室 KEE'S」の代表取締役社長 野村絵理奈さんに、いま知っておきたい話し方のルールとトレーニング方法についてお話をうかがいました。野村 絵理奈のむら・えりな兵庫県出身。NHK松山放送局キャスター、気象予報士を経て、2005年に株式会社KEE'Sを設立。アナウンサーとして培った経験をもとに、話し方・コミュニケーション・スピーチ技術のみならず、好感をもたれる立ち居振る舞いや、魅力的な表情の作り方など、豊かな表現方法をレクチャー。研修実績は大手企業を中心に5万人以上。新入社員からエグゼクティブまでトレーニングを行う。ミス・ユニバースジャパンの公認スピーチトレーナーを務め、メディアから注目を集めている。 「魔法のルール」で堂々と話せる自分に話し方の基礎体力をトレーニングで養う【腹式呼吸のトレーニング】4セット/日【口の体操】1分以上/日【舌の体操】1分以上/日16
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