薬学生のための就活準備ブック 2026
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ADVICE定の領域と運命的な出合いを果たし、キャリアの方向性が明確になったケースです。Bさんは実習先で見つけることができましたが、それはかなり幸運なこと。インターンシップ&キャリアに参加するなど能動的に動き、出会いの機会を増やしていくことが大切です。たとえ知識として知っていることでも、現場を見たり体験したりすることで、受ける印象が大きく変わるケースは少なくありません。特2就活準備でも“百聞は一見に如かず!”ぼんやり抱いていた理想の薬剤師像が、実体験を通してリアルに浮かび上がるBEFOREAFTER大学入学時から「現場で薬剤師として働きたい」という明確な目標があったBさん。順調に学びを重ねてきたが、「患者さんの側にいたい」「患者さん中心の医療を実践したい」という思いこそ確固としているものの、具体的な働き方や入職先がなかなか絞り込めず、ぼんやりしたイメージにとどまっていた。在宅医療に力を入れている法人を徹底的に調査し、多数の実績がある調剤薬局を志望。熱い思いを伝え、無事に入職に至った。現在では実習で出会った先輩薬剤師のように、患者さんのもとを訪れる「薬局の外へ飛び出す薬剤師」として活躍中。また、地域の在宅センターでリーダー役を務め、後進の育成にも力を注いでいる。TURNING POINT5年生時の実務実習で訪れた調剤薬局で、在宅医療の現場を体験。実際に個人宅や高齢者施設などを訪問し、患者さんとの対話やバイタルサイン測定を通して副作用の有無を確認したり、医師に処方提案したりする先輩薬剤師の姿を見ているうちに胸が熱くなり、「自分がめざすべき道はこれだ!」と確信が持てた。ADVICE習や試験に忙しい薬学生が就職活動で、自分のやりたいことが実現できる法人を見つけ出すのは簡単ではありません。経営理念に共感できることは必須ですが、それが具体的にどんな事業に反映されているかがポイントです。たとえ同じ理念を掲げていたとしても、実際の取り組みは法人によりまったく異なる可能性があります。言葉だけに左右されず、具体的な実践の内容を確認してください。実3経営理念は「言行一致」が大事!共感できる理念を掲げ、それを具体的な行動に移している薬局を発見BEFOREAFTER薬学を学ぶうちに、「できるだけ薬を飲みたくない」という患者さんのニーズに気付いたCさん。対症療法に終始するのではなく、病気と根本的に向き合うことができる薬剤師でありたいと願うようになった。しかし、それを実現できるような入職先がなかなか見当たらず、どう探したらいいのか悩んでいた。自分にぴったりの法人を見つけ出し、入職したCさん。処方薬に関する指導を中心としながらも、来局した患者さんに運動や食事に関してアドバイスする機会もあり、やりがいを持って現場に立っている。また、興味があった漢方薬の勉強も続けながら積極的に処方提案し、いずれは独立することも視野に入れて経験を積んでいる。TURNING POINT調剤薬局はどこも同じように見えてしまっていたが、西鶴さんから「企業規模に惑わされず、経営理念と事業内容をよく見て」とアドバイスを受け、情報収集を再開。「地域住民を健康にする」という理念を掲げ、薬剤師が処方箋調剤のみならず運動療法や食事指導にも関わり、漢方薬の活用にも積極的な法人を見つけることができた。casecase22

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