薬学生のための就活準備ブック 2026
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ADVICE社説明会では、その法人の売上高や教育体制の整備といった良い面をアピールされるケースがほとんどでしょう。受け身の姿勢で情報を集めていると、Dさんのように「回れば回るほど迷う」状態になりがちです。大切なのは、自分なりの軸を物差しに情報を整理すること。また、あえて法人が抱える課題に注目することで、その法人の本質に迫ることができることもしばしばあります。会4企業の本質は「課題」から見えてくる!「どこも同じように良く見える」を打破するために必要な視点を見つけるBEFOREAFTER4年生の夏からインターンシップ&キャリアや説明会に参加し、積極的に就活準備を進めていたDさん。しかし、どの法人も自らを上手にアピールするため、話を聞くうちに「どこも良さそう」としか感じられなくなってきた。5年生になっても志望したい法人だらけの状態が続き、かえって絞り込みができなくなってしまった。企業分析の指針が明確になったことで、ゴチャゴチャになっていた情報をしっかりと整理できた。特に、営業上の特性や他社との競争優位性など、今まで注目していなかったデータを集めることで、初めて法人ごとの個性を理解できた。納得できるまで比較検討した結果、特に将来性を感じた製薬会社を第一志望とし、無事に内定を得ることができた。TURNING POINT焦ったDさんは大学の就職課に相談し、各社の情報と今後の動き方をアドバイスしてもらった。また、大学のOB/OGにつないでもらい、業界内でのポジショニングや特徴を詳しく知ることができた。どんな法人にもあるはずの「強み」と「課題」に着目し、人事担当者へも質問することで、各社の実情が浮き彫りになってきた。ADVICEえ方のクセを修正できたEさんは、頭の中だけでなく行動まで変化し、就活準備をアクティブに乗り切ることができました。他者との比較ばかりするのではなく、自分という人間を適正に評価する目を持ち、少しでも成果を出せたら褒めることを習慣にしてみましょう。自信をつけるためには、いきなり目標設定を高くしすぎず、徐々にハードルを上げていくバランス感覚も大切です。考5短所を裏返せば長所にもなる!足りない部分ばかりに向いていた目を、ポジティブな側面に向ける練習を重ねるBEFOREAFTER就活準備中のガイダンスで自己分析を勧められたが、いくら考えても「気が弱くて傷付くのが怖い」「シャイで口下手」「チャレンジ精神に乏しい」などマイナスなことしか出てこないEさん。短所ばかりに目が行って自己肯定感が下がってしまい、「こんな自分では面接でアピールすることがない」と落ち込んでいた。自身の長所をしっかりと把握したことで、以前と比べて自信が持ててきた。志望先の面接でも、過剰で大げさなアピールをするのではなく、自然体で正直な話しぶりであることが高く評価され、複数の法人から内定を得ることができた。今では地域の病院で薬剤師として活躍し、患者さんから頼りにされる存在になっている。TURNING POINT西鶴さんに相談したところ、自身をネガティブにとらえる「考え方・見方のクセ」があることを指摘された。そこで、思い当たる自身の特徴を片っ端からポジティブな言葉に置き換える練習をスタート。その結果、「他人の気持ちに敏感」「誠実に行動して嘘をつかない」など、医療者にとって必要な資質が自身に備わっていることに気付いた。casecase23

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