ADVICEまざまな方法で情報収集することは大切ですが、玉石混交であるインターネットの情報や、うわさレベルの話を信じるのは大きなリスク。中途半端な情報に惑わされ続けていると、本質的な部分に考えが至らなくなってしまうこともあります。就職は人生の大きな分岐点です。自分なりの軸をしっかりと持ち、信頼できる複数の情報源から得た知見をもとに、心から納得できるような結論を導き出しましょう。さ6うわさレベルの情報に惑わされるな!友人の話だけに頼らず、自ら見聞きした情報で人生の岐路に臨むBEFOREAFTER友人たちが「最初の入職先は病院がいいらしい」と話していたことが頭に残っていたFさん。インターネットで口コミを検索しても「病院経験者であればその後の転職に有利」と書いてあったので、まずは病院を志望するのがセオリーなのかと感じた。しかし、情報収集を始めてもいまいち乗り気になれず、就活準備は停滞気味だった。チーム医療の中でどんなポジションを占め、薬学のプロフェッショナルとしてどう貢献していくかを深く考えられるようになった。理想的な患者ー薬剤師関係をOBの話に見出し、具体的にイメージを広げていった結果、ある調剤薬局が志望先となった。入職後は、かかりつけ薬剤師として地域でやりがいを持って活動している。TURNING POINTFさんは自分の軸がはっきりしないなか、病院で働く大学のOBを訪問。先輩から「症状が悪化する前に薬剤師として介入できていれば……と思うことが増え、糖尿病の患者さんの生活を支える薬局薬剤師に転身した」という話を聞き、心から共感できた。そして、病院と薬局は「優劣でなく役割の違い」としてとらえるべきだと理解した。※自分の中からわき出てくる興味や関心、意欲などに基づく動機のこと。※株式会社キャリア・ポジション転職相談依頼者の集計より「仕事量のわりに給料が見合わない」「残業や休日出勤が思ったより多い」労働環境1位3位「会社の事業に未来が見えない」「この先、めざす仕事ができそうにない」将来性2位「業務内容に興味が持てない」「評価軸が不透明」「キャリア開発支援がない」人事・評価4位「直属の上司が厳しすぎる」「尊敬できる先輩や気の合う同僚がいない」人間関係5位「配偶者の転勤に合わせて引っ越す」「出産後、育児に専念したい」外的要因輩たちが転職した理由を見ると、「学生時代に調べておけば避けられたミスマッチ」も少なくありません。就活準備で迷ったとき、左記の転職理由トップ5を回避するようなイメージを描いてみると、一つの指針になるかもしれません。 ただし、どんなに検討を重ねたとしても、入職前に描いている職場のイメージと現実が完全に一致するとは限りません。職場に何らかの不満を抱えたとき、転職を考えるのも一つの道ですが、「ここだ!」と思える場所で踏ん張る力も大切です。リアリティーショックを乗り越えて本当にやりたい仕事へたどり着くためには、「自分はこうなりたい」「こんなことに挑戦したい」といった内発的動機※を持つことが大切だといわれています。 また、お金を払って学ぶ学生と、お金をいただいてサービスを提供する社会人では、まったく異なる意識が求められます。特に、転職理由になりやすい「人間関係」で悩まないためには、自分と価値観が異なる人や厳格な人ともコミュニケーションを取れることが重要です。相手の考え、とらえ方を否定せず、まずは理解すること。ぜひ、就活準備中である今のうちから意識しておきましょう。先就活準備&入職後を乗り切るポイント入職後に、転職を経験してキャリアを重ねていくケースは珍しくない。転職した人が前職を辞めた主な理由について、西鶴さんにトップ5を聞いてみた。転職理由から見える!COLUMNcase24
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