薬学生のための就活準備ブック 2026
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リアは週末に行われることが多かったので、アルバイトも調整し、平日やイベントのない日曜日にシフトを入れるようにしていました。原田 私は器用なタイプではないので、数を打って当てるというよりも、参加する説明会などの数を絞って効率的に動くことを心がけました。また、隙間時間を活用することも重視。例えば、通学中の電車内では常にスマートフォンを手にして、過去の選考情報を調べたり、自己分析や志望動機の文章を打ち込んだりしていました。特に実習期間は忙しくなるので、4月ごろから情報収集を始めておいてよかったと思います。岩谷 実務実習があった7月までは、合間を縫って説明会に参加。その後、講義がない研究中心のコースに進んだため、研究室に行きつつ派遣バイトも行いながら、時間を捻出して就職活動に着手していました。研究中は結果待ちの時間が多く発生するので、その時間を使って情報収集したり、国家公務員試験に向けて勉強を進めたりしたイメージです。1日のうち、3〜4時間程度はそうした活動に費やしていました。丁寧に集めた情報が志望先を探す手掛かりにQ 志望先の情報収集は、どのように行うのが効果的でしたか?原田 各企業のウェブサイトや説明会の情報が中心ですが、内定者の口コミが見られる就職活動用のアプリも参考にしていました。得られた情報はすべてノートに書き出し、自分なりに整理。企業名、事業概要、理念、注力している疾患領域などの項目をまとめていきました。最も重視したのは開発パイプラインで、関わりたい領域の治験がどの段階まで進んでいるか、追加適応されている薬剤があるかどうかを把握することが、企業としての将来性を理解する上で重要なポイントだったと思います。教えてください。岩谷 業務内容というより、その場の雰囲気をつかめることがインターンシップ&キャリアの価値だと思います。学生への接し方はもちろん、社員の方同士が話す様子からも社風が伝わってきました。自衛隊に関しては、説明会で薬剤官としての働き方について詳しく話を聞きました。また、音楽まつりをはじめとする各種イベントに参加するうちに、志望度がどんどん上がっていくことを実感。年配の自衛官の方が講演しているとき、背筋がピンと伸びた素敵な立ち姿で、自分もこんなふうに年赤川 マイナビの公式アプリに「お気に入り機能」があり、気になる病院の情報を集めるのに役立ちました。病院の機能や病床数など、ざっくりと一通り見比べたいときに活用していた感じです。私の場合、実習先では急性期の経験があまり積めなかったので、救急車搬送を多く受け入れているような職場で多様な症例を経験したいと考えました。一方で、ワークライフバランスを大切にしたいという思いも。休みの取りやすさに影響するため、病床数に対する薬剤師数や夜勤体制などをしっかりとチェックしました。岩谷 実際に各業界で働く人の話を、できるだけ多く聞くことを意識しました。大学で知り合ったサークルの先輩などはもちろん、姉が薬剤師なので、その友人も含めてさまざまな業界の「実際のところ」を聞き取りました。働き始めてからギャップを感じることのないよう、長期的な目線で働き方や業務内容を確認することが大切だと思います。なお、特に製薬会社の情報に関しては、よく新聞もチェックしましたね。薬剤に関する過去の記事を購入して、手当たり次第に読むことで知見が広がりました。Q インターンシップなどで印象に残っていることがあればを重ねたいと憧れました。原田 志望する企業でインターンシップ&キャリアの開催はなかったのですが、7〜8社の説明会へ参加しました。質疑応答の雰囲気などから、オンライン開催でも想像以上に企業ごとの違いが分かり「自分がここで働くイメージを持てるか?」という観点からマッチ度が計れたと思います。また、第一志望の説明会では本社に伺い、社長と話す機会もありました。学生に対しても対等に接してくれるその姿から企業風土が伝わってきて、強い魅力を感じたことを覚えています。赤川 がん治療に注力していまだまだ時間はあると油断せず、説明会などへは早めの参加をHiroaki Iwaya36

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