薬学生のための就活準備ブック 2026
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ことには自信があったので、過度に不安を感じずに臨むことができたと思います。「日本と外国との関係についてどう思うか」「安全が保障されていない地域へ赴く可能性もあるが覚悟はできているか」といった少し特殊な質問もありましたが、自分の思いをしっかりと述べ、手応えを感じることができました。赤川 「全暗記」を繰り返さないため、待ち時間にはあえて国家試験の勉強に集中。面接が始まってみると、想像以上にリラックスした話しやすい雰囲気で、素直に思いを表現することができました。深掘りされることを想定したエピソードの準備は、やはり有効。例えば救急医療への思いを聞かれた際は、直近で祖父が救急車に乗ったときの話をするなど、具体性を持たせるよう意識しました。対策を変えたことが功を奏し、自分でも納得できる内容を伝えられた感覚です。夢への道のりを力強い足取りで進むQ あらためて就職活動を振り返ってみて、大変だったことはありますか?赤川 病院は選考のタイミングが他業界より遅い傾向があり、周囲が続々と内定を決めていく中で就職活動を続けなくてはならない点が大変でした。気にしないようにしても、どうしても焦りが出てしまったと思います。精神的につらいときは、趣味のピアノ演奏でリフレッシュし、心癒やされる時間を取るようにしていました。原田 私も同じ気持ちでした! 調剤薬局志望の友人が多く、早々に内定を決めるケースが多数。製薬会社は選考プロセスが長めなので、自分だけ就職先が決まっていない状況が数カ月続き、その期間は非常につらいものがありましたね。乗り越えられたのは、「絶対に入社したい!」という強い意思があったからだと思います。岩谷 大変だったのは、国家公務員試験対策です。薬剤の知識が問われる専門科目はともかく、教養科目には苦戦しました。特に、文系科目には触れていない期間が長く、モチベーションを保つことも含めて難しく感じました。なお、対策を始めたのは5年生の夏ごろですが、個人的にはちょうどいいタイミングだったと思います。Q これから就職活動をする後輩たちへ、ぜひアドバイスをお願いします!岩谷 まだまだ時間があると思っていても、薬学生はやることが多いだけに、就職活動が後回しになってしまいがち。説明会やインターンシップ&キャ人が、医薬品の力でよりQOLの高い生活を送れるよう、努力を重ねていきます。赤川 一緒に働く仲間たち、そして患者さんから信頼される社会人になることをめざしています。特に関心があるのはがん領域で、内定先でもちょうど同領域を強化しているところだと伺いました。病棟で患者さんと積極的に関わり、当事者目線で思いやりを持てリアには早めに参加しておき、志望業界をある程度絞り込んでおくだけでも、その後の動きがスムーズになると思います。原田 何から着手したらいいか分からない人は、まず学校の先生に相談してみましょう。やるべきことの優先順位など、いろいろと助言してもらえるはずです。また、自分がどんな人になりたいか、何に興味があるかをイメージすることも大切です。将来のことを考えれば自然にワクワクして、就職活動へのモチベーションも上がりますよ。赤川 就職活動に「正解」はないと思います。自分のペースを大切に、コツコツとやるべきことを進めていけば、ぴったりの就職先が見つかるはず。薬剤師が活躍できるフィールドは想像以上に幅広いので、ぜひ自分らしい道を模索してください。Q 春から新しい世界へ飛び出していく皆さんが掲げる、これからの夢や目標を教えてください。原田 まずはMR職として経験を積み、いずれはMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)として免疫疾患領域の治療水準向上に寄与することが目標。簡単なことではありませんが、挑戦できる環境があるからこそ前向きにトライしたいです。病気を抱えながら人生を歩むる薬剤師でありたいと願っています。岩谷 どんな業務であっても、「日本を守る」ことに変わりありません。例えば、海外派遣は日本と外国が良好な関係を築く上で重要な活動だし、自衛隊中央病院での調剤業務は、国民や隊員の健康を直接的に守る仕事です。日本の防衛の一助になっていると、胸を張って言える大人になりたいです。38

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