薬学生のための就活準備ブック 2026
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カーへ相談してみるのを薦められた。「すると食後でもほぼ効果が変わらないとのデータが出ていると判明しました。その情報をトレーシングレポートとして医師に提出したところ、処方が変わるきっかけになりました」新しい処方によってその患者さまの飲み忘れもなくなり、血糖値も下がる相乗効果が得られた。これを契機に小髙さんも自信を深めていく。3年目には新規出店となった小岩中央店の薬局長に就任。コンサルタント的な仕事に興味があることをエリア長に伝えたところ、新店を軌道に乗せるチャンスをつかんだ。「特に注力したのは、受付などを任せるスタッフとの意識合わせです。『もう一回利用したい』と思ってもらえる薬局であるべく、患者さまにとことん寄り添った接遇ができるよ若くして薬局経営に挑戦大学時代に受けた講義で、小髙さんが特に心魅かれたのは「医療経営学」だった。患者さまに貢献したいと思っても、薬剤師個人の技量だけでは限界が生じてしまう。だからこそ、経営的な視点を身に付け、大きな意味で医療に貢献したいと考えた。「当社は若手も日常的に経営方針に触れられますし、新しい取り組みも早く導入しており、そのアグレッシブな経営姿勢に共感して入社多忙な薬局で自分を高めるうに、研修面には注力しました」おかげで頼りにしてくださる患者さまの姿も徐々に増えるようになった。気付けば2~3年かかる見込みだった黒字化をわずか1年で達成し、薬局経営の手応えをつかんだ。さらなる挑戦を重ねるべく、現在は大型店に位置付けられる葛西店の薬局長を担っている。部下となる薬剤師の数も増えたが、常に謙虚な姿勢の小髙さんは、経験豊富なベテラン薬剤師のみなさんに「助けてもらう」という意識を持ち、協力し合いながら店づくりをしている。「就任してまだ半年ですが、患者さまからは『以前よりも待ち時間が短くなった』と喜んでいただけています。まだまだ伸びしろのある店舗だと思いますので、これからさらに改革を進めていきたいです」。将来は会社経営にも携わってみたいと夢を描く。大きな目標に向かって、小髙さんは着実に歩み続けている。を決めました。ただ私の場合、薬剤師の国家試験で苦戦し、ラインぎりぎりで合格だったので、だからこそ最初の配属では多角的に学べる薬局で自己研鑽したいと願い出ました」希望に沿う形で、入社後2年間は香川県高松市の総合病院の門前薬局で勤務。あらゆる診療科を網羅した病院の処方せんに対応している薬局だけに、最初は業務についていくだけで精いっぱいだったという。「先輩に質問すると、本当に丁寧に教えてくれるのがありがたかったですね。とはいえ、甘えてばかりもいられないので、一度聞いたことは忘れないように、その場で確実に身に付けることを意識しました」自己研鑽を重ねてきたある日、担当した糖尿病の患者さまに飲み忘れが多いと気付いたことがある。食前の薬を食後にまとめれば忘れないかもね―そう患者さまが話していたと先輩に報告すると、試しにメー経営者の視点から調剤薬局を支えたいと意気込む小髙さん。コンサルタント的な立ち位置で、より多くの店の改善を担いたいと考えている。日本メディカルシステムの創業者である髙木代表は薬剤師でありながら経営学を専攻したという異色の経歴を有する。それだけに薬剤師たちに経営学や行動学について伝授する場を数多く設けてきた。薬局経営に興味を持って同社の扉を叩いた小髙さんは、3年目にして薬局長に就任するなど、チャンスを自分のものにして成長を果たしている。調剤薬局の安定経営を実践して多くの患者さまに貢献したいJob of a ProfessionalProfessionalCHECK THE NAVI詳しい情報は日本メディカルシステム株式会社53

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