薬学生のための就活準備ブック 2026
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いう。各薬剤にはそれぞれ適応症や用法・用量が定められているが、時々刻々と変化する病態と向き合う臨床の現場では、状態に応じて投与量を変えたり、同じ薬を別の治療目的に転用したりすることも少なくない。希少な症例に接する機会が多く、新薬の導入スピードも早い同院ではその機会もことさらに多い。「教科書に書かれているような薬剤の知識は在学中にしっかり身につけてきたつもりですが、臨床の場では日々新しい発見と学びの連続です」そんな南さんは目下、糖尿病療養指導士や抗菌化学療法、感染制御の認定薬剤師資格の取得にも挑戦中だ。「その分野の第一線で活躍したい」思いもあるが、それだけではない。「スペシャリストとしての活躍ややりがいを伝えることで、実習や自身の挑戦と活躍を通じて薬学生に伝えたいこと南さんが病院薬剤師を志したのは「薬のプロになるなら、より高度で質の高いチーム医療に寄与したい」と考えたからだ。中でも特定機能病院である「川崎医科大学附属病院」は救急から内科、外科まで多彩な診療科と豊富な症例に触れることができる。さらに、これは入職後に知ったことだが、院外処方が主流の今日に同院では外来診療の多くを院内処病院薬剤師を志した背景にチーム医療への強い思い見学に訪れた薬学生に病院薬剤師の魅力を知ってほしい」と考えているのだ。「薬学生の中には『病院は大変そう』と敬遠する方もいるかもしれませんが、それは、それだけ豊富な知識や経験が得られることの裏返しでもあります。仕事に慣れ知識が増えれば徐々に余裕が生まれ、プレッシャーは自信とやりがいに変わる。実際、私も入職1年目はとても苦労しましたが、3年目の今では、仕事が楽しくて仕方ありません」。近年の同院では、メンター制度や研修医とのグループディスカッションの導入など若手向けの教育研修制度の拡充も進む。自身の入職当初より充実した成長環境を素晴らしいと思いつつ、志ある後輩たちの成長と飛躍を願う気持ちはひと一倍だ。方。診療内容を理解したうえでより的確な服薬指導ができ、退院後の経過も把握できる外来調剤室は、経験の浅い病院薬剤師にとって知見を深められる場だった。実際、腎臓内科・泌尿器科・糖尿病内科・血液内科の混合病棟の業務と外来調剤室を兼任する南さんは、現在までに院内の全診療科の処方箋を網羅。約1年間にわたって希少がん種の抗がん剤治療に携わった際は、薬剤管理指導や副作用のモニタリングなどを通じて、チーム医療における薬剤師の存在感の大きさとやりがいも存分に実感したそうだ。投薬治療において自分の提案が採用され、その成果をダイレクトに感じられるのは病院薬剤師の醍醐味だが「スキルアップの面でも臨床の現場に立つ意義は大きい」と南さんは臨床現場に立つことが広く深い学びに繋がる病院見学や仕事体験などでも若手薬剤師が中心になっている。「気になることがあれば何でも気軽に聞いてください!」「川崎医科大学附属病院」は、特定機能病院として日々高度医療を提供。そこで、目覚ましい成長と活躍を見せているのが入職3年目の薬剤師・南裕貴さんだ。薬剤部業務と病棟業務を兼任する多忙な日々も「新しい知識や経験が積みあがっていくのが楽しくて仕方ない」と話す南さんのプロ意識に迫る。プロとしての実力を育むのは資格ではなく、濃密な経験Job of a ProfessionalProfessionalCHECK THE NAVI詳しい情報は学校法人川崎学園61

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