薬学生のためのインターンシップ&キャリアガイド 夏号2027
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多店舗展開で地域に貢献新機軸の薬局展開にも挑戦山口県・鳥取県を中心に中国地方で32店舗の調剤薬局を運営する薬明館。地域医療の担い手であるかかりつけ薬局として、患者様の信頼と期待に応えるサービスを展開している。そんな同社で働く薬剤師の佐藤さんは、働き手として感じる同社の魅力についてこう語る。「多店舗展開の魅力といえば幅広い診療科の処方が学べることだと思いますが、当社は薬局が少ない地域にも店舗を展開しています。そうした薬局では、隣接している病院だけでなく広域から処方せんが来るので、一つの店舗に居ながら多くのことが学べますし、患者様お一人おひとりとの関わりも密接になる。必然的に対人業務に重きを置くことになり、やりがいも得られます」さらに、同社では山口県岩国市にある総合病院の隣地に24時間365日対応のセンター薬局を開局するなど、新機軸の薬局開発にも挑戦。患者様の利便性の向上に取り組むとともに、薬剤師の活躍のフィールドを広げている。薬剤師の在り方として、対物業務から対人業務への移行が求められる今、同社でも事業における重要項目の一つとして在宅服薬指導の強化を挙げ、個人宅だけでなく高齢者施設にも対応するなど、在宅医療を必要とするさまざまな状況・ニーズに応えている。「医師やケアマネージャーと情報を共有したり、患者様の生活の背景を知ることで、できることは格段に増える。往診同行時、医師と褥瘡治療の経過を観察して薬を選択したりフォローアップをもとに処方提案をするなど、学びの幅も広がっています。また、最近は運転免許を返納して移動手段が変わり、これまで利用していた都市部の薬局ではなく地域の薬局を利用する高齢の患者様が増えているので、地域の薬局の重要性はますます高まっていくでしょう」と佐藤さん。現場を大切にすることで人の成長と企業発展を推進企業理念である「心地の良い薬局」のもと、社員のライフステージの変化への対応と成長を支援するため、働く環境の整備も進んでいる同社。さらに長期的なキャリアを見据え、それぞれのペースで知識と経験を深めていけるようにもなっており、現場で働く佐藤さんも「薬局内では薬局事務が薬剤師をサポートし、会社内では本社が薬局をサポートする体制が整っているため、私たちは調剤や接遇といった本来の業務に専念できます。複数の薬剤を事前に充填しておける分包機や、全店の在庫を一元管理するクラウド型の在庫管理システム、薬の受け渡し時の様子を記録するカメラといった新しい機器・システムを導入するなど、対物業務の効率化も進んでいますし、働く環境が時代に合わせてきちんと整備されているのは心強いことです」と話し、良好な職場環境をアピールする。人・設備・環境、すべての面でコストも労力も惜しまない企業の姿勢こそが、現場を大切にするということであり、そうして大切に創り上げられた現場だからこそ、薬剤師たちが生き生きと活躍でき、安心して多様な未来を描くことができるのだろう。1324KEY WORDS FOR THE FUTURE未来を読み解くキーワード❶ 山口県周南市内の「すぎのこ薬局」は、北部地区内の数少ない薬局の一つである。診療科を問わない広域処方せんを持ち、近隣住民の方を中心にたくさんの患者様が訪れる。❷ 投薬時の様子を記録するカメラを導入し、より安心して働ける環境に。❸ 薬局内での何気ないコミュニケーションを通して患者様の情報を可能な限り収集し、適切な服薬指導につなげる。薬剤師会やメーカー主催の研修など学ぶ機会も豊富で、それぞれの成長意欲にしっかりと応えている。❹ 入力作業やピッキング業務などは薬局事務がサポートし、薬剤師が全力で患者様と向き合える環境を構築。株式会社薬明館この法人の詳しい情報はでチェック!43

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