薬剤師のあり方が変わる時代過去よりも未来を見つめよう 薬剤師は薬剤を渡すだけの存在ではなく、服薬後まで患者さんをフォローするプロフェッショナルである――。うれしいことに、こうした認識が急速に広まりつつあります。2020年に施行された改正薬剤師法および改正薬機法により服薬フォローアップが義務化されたことは、皆さんも記憶に新しいのではないでしょうか。2022年度以降の調剤報酬改定でも、薬局薬剤師業務の評価体系が対物評価と対人評価に細分化されるなど、より包括的・継続的に薬学的専門性を発揮することが後押しされています。 こうした「対物業務から対人業務へ」の流れは、2015年に厚生労働省から発表された「患者のための薬局ビジョン」で明確に打ち出されました。これをただの理想論で終わらせないよう、診療報酬改定で点数が調整されてきたという見方もできるでしょう。この流れは今後も続く見込みで、単に大量の処方箋を素早く処理できる薬局ではなく、地域ネットワークの中でしっかりと対人業務も担える薬局が、より高く評価される時代に突入すると考えられます。つまり、薬剤師の仕事の幅は広がっていくということです。これは調剤薬局に限った話ではなく、病院やドラッグストアなどでもText: Hitomi Nakazawa(Knowledge Ring) Photo: Takafumi Komatsu Illustration: Takahiro Nakanishi「新時代の薬剤師」として輝くための法人選びのチェックポイント 就職活動では目移りするほどさまざまな法人と出合いますが、そこでどんな選択をするかで自身の未来が大きく変わります。皆さんが現場の薬剤師として力を付け、やがて飛躍するためには、どんな観点で職場を探せばいいのでしょうか。医師であり、ハザマ薬局(大阪府・兵庫県)の経営者でもあり、薬学生の就職事情にも詳しい狭間研至さんに伺いました。医師(医学博士)/ファルメディコ株式会社 代表取締役/日本在宅薬学会 理事長1995年に大阪大学医学部卒業後、同大学大学院医学研究科(博士課程)修了。大阪府立病院などで経験を積み、2004年にファルメディコ株式会社代表取締役に就任。在宅の現場で訪問診療に携わりながら、薬剤師の生涯教育にも力を注いでいる。Profile狭間研至はざま・けんじ58
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