薬学生が志望先を検討する上で、DXについて調べる必要があるでしょうか?実習先は昔ながらの薬局でした。学生のうちにDXについて知るにはどうすればいいですか?先輩から「DXが進んでも対人業務は報酬につながらないから頑張っても仕方ない」と言われました…。これからの時代に活躍し続けられる薬剤師でいるために、重要なポイントです。そんなに難しく捉える必要はありません。SNSが使えれば十分なレベル感です。積極的にDXに取り組んでいる薬局を見つけて、話を聞きに行ってみましょう。いろいろなコミュニケーションの手段を経験しておくことがお勧めです。調剤報酬は改定があるし、それ以外の価値にも目を向ける必要があります。法人の方に直接、DXの取り組みや展望について尋ねてみましょう。DXが推進されている職場では生産性が向上し、真に患者さんの価値につながる業務に集中しやすくなります。また、各人の行動履歴が残るため、より正確・正当な評価を受けられる可能性も高いといえます。ICTを活用している(しようとしている)法人か、それに関する研修などが実施されているかは要チェック。あるいは、入職後に自分自身の力でDXを推し進める、という選択も面白いかもしれません。DXといっても、現場にいる薬剤師にプログラミングやコーディングの技能が求められるわけではありません。今は、現場の課題を踏まえて、ユーザー目線で工夫されたサービスが続々と登場しています。すでに導入されたICTを活用する上では、一般的なPCやスマートフォンを使用するスキルがあれば十分で、例えば日常生活の中でSNSをある程度使いこなせていれば問題ないレベル感だと考えてください。「就職活動に必要な情報を得る」という点では、法人が開催する説明会やインターンシップ&キャリアはもちろん、公式ウェブサイトも大いに参考になります。志望するエリアでDXに注力している法人があるかどうか検索し、取り組みに興味が湧いたら「30分でいいのでお話を伺えませんか?」などとお願いしてみてもいいかもしれません。能動的にアクションできる学生は、法人にとっても非常に魅力的です。電話、メール、オンラインミーティングなど、多様な方法でコミュニケーションの練習をしておくといいでしょう。特にこれからの時代は、患者さんに対面しないで服薬指導などをする場面が増えます。相手や状況に合ったツールを選択し、それに応じて話し方も工夫できる薬剤師が重宝されるはずです。例えば、薬剤が手元になくても画面上で的確に服薬指導できるか、同級生と練習してみてはどうでしょう。2022年度の調剤報酬改定では、薬局における薬剤師業務の評価体系が「対物中心」から「対人中心」への転換を推進するかたちで見直されました。こうした流れは今後も続く見通しで、服薬フォローなどの対人業務は評価が適正化されつつあります。また、よりよい対応で患者さんの心をつかみ、継続的に来局してもらうという視点も重要。薬剤師の対人業務は、今後の薬局経営における要になるはずです。社長、調剤本部長、人事担当者などに、直接話を聞くのがお勧め。これからDXをどのように展開していく見通しか、率直に尋ねてみましょう。デジタルネイティブ世代の皆さんなら、きっと感じ取れることがあるはずです。完璧なシステムがすでに整っている法人はまだ少ないかもしれませんが、今後の展開をどのように描いているか、変化に対する柔軟性を備えているかが肝心だと思います。自分の力でDXを推し進めるぞ!無駄だよ!仕方ないね!DXが進んだ現場で活躍できる薬剤師になるために、学生の間にすべきことはありますか? デジタル関連に苦手意識があり、変わりゆく現場についていけないのではないかと不安で…。積極的にDXに取り組んでいる法人は、どうすれば見分けることができますか? 薬学生が気になるDXのQ&A就職活動に向けての意識がだんだんと高まってくる今のタイミングだからこそ、DXについても「リアルな話」をいろいろと知っておきたいもの。薬学生が気になる6つの質問を、中尾 豊さんにぶつけてみました。もっと知りたい!Q1A1A4Q4Q2A2A5Q5Q3A3A6Q6やることが多くて…見た目では分からないぞ!直接お話を聞くのが良さそうだ…速くて追いつけない!69
元のページ ../index.html#73