薬学生のためのインターンシップ&キャリアガイド 夏号2027
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 来年3月になれば、皆さんの就職活動はいよいよ「本番」に突入する。志望先の選考を通過し、堂々と面接で受け答えしている自分の姿が想像できるだろうか。自信たっぷりという人も、不安でいっぱいという人も、準備に充てられる期間は変わらない。実務実習や学内の試験対策などでどんどん忙しくなっていくことを考えても、早期に就職活動のベースを固めておくことの重要性が分かるだろう。 しかし、慌てるあまり手当たり次第に動くのは考えものだ。特にありがちなのが、「とりあえず面接練習をしてみる」「まずESの文面を考える」など、いわゆる選考対策から着手してしまうこと。図1にある通り、面接やES・履歴書対策はピラミッドの頂上に該当する。それを支えるだけの土台がなければ、いくら石を積み上げても崩れ去ってしまうだろう。 高く強固なピラミッドを築き上げるには、下層から固めていく正攻法が必要になる。まずは自身の特徴や強み、志向を正しくとらえることが第一。その上で、実務実習やインターンシップ&キャリア、アルバイトなどを通して、社会人としての基礎的なマナーやスキルを習得していく。そして、自身の志望する業界がはっきりしてきたところで個別に法人研究を行い、「なぜ、そこで働きたいのか」を明確化するイメージだ。ここまで固まってくれば、選考対策はある程度のコツやノウハウを習得するだけでうまくいくことが多い。 特に近年の就職活動は、一次選考から内々定までの期間が短く、「短期決戦」という特徴がある。選考が始まってから法人について深掘りしたり、自身を振り返ったりする余裕は、ほとんどないといえる。あらかじめ土台をしっかりと築いておかなければ、流れに飲まれて悔いの残る選択をしかねないのだ。  就職活動の本番までに必要なプロセスは、図2のようにも表現できる。まずは情報を得る「インプット」からスタートし、それを生かして「アウトプット」する流れは、直感的にも理解しやすいだろう。 就職活動におけるインプットは、自己分析、業界研究、法人研究などが該当する。自身の強み・魅力と、それを裏づける根拠をそろえること、そして合同説明会やインターンシップ&キャリア、OB/OG訪問などで質の高い情報を収集することが肝心だ。 その成果をより良いかたちで外部に表現するのが、アウトプットということになる。履歴書やESの文章を見直してブラッシュアップしたり、模擬面接などで受け答えのトレーニングをしたりといったことだ。自己PRを研ぎ澄ましていく段階だといえるだろう。 しかし、単に情報をたくさん仕入れるだけでは、適切なアウトプットにつなげることは難しい。頭の中に入ってきた情報を抽象化し、自らのいきなりピラミッドの頂上へ手を伸ばすのは危険!インプットした内容は自分なりに咀嚼しよう季節が変わり、新学年の学びや生活に気分を一新して取り組んでいる人は多いだろう。実は、この春夏は、就職活動において土台を構築する「超重要なシーズン」でもあることをご存じだろうか。本選考が始まる来年に向けて、今から始めておきたい就活準備の内容と、それに対する心構えを押さえておこう。満足できる内定を得るためには「急がば回れ」で、下から積み上げていくことが基本。すっぽりと抜け落ちている要素がないか、時間を確保しやすいうちに振り返っておきたい。内定を得るまでに必要な要素図1START IN NOW!春夏から始める自己分析社会人マナーの習得業界・法人研究エントリーシート・履歴書対策社会経験面接対策自己分析社会人マナーの習得業界・法人研究エントリーシート・履歴書対策社会経験面接対策聞く読む話す書く見るoutputinput自分負けず嫌い創造自主的好奇心面倒見自主的粘り強い好奇心自主的誠実集中力責任面倒見教習所サークル活動ボランティア実験家庭教師8

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